診療時間(完全予約制)
休診日(日曜・祝日)
診療時間
8:30~12:30
13:30~20:30 -

TEL 086-270-0188

〒703-8275

岡山県岡山市中区門田屋敷1丁目
9-29(菱和パレス一階)

手の痺れ・首痛

         (1)手の痺れ(2)首の痛み(3)五十肩

(1) 手の痺れについて

 

 

 

 

「痺れ」の訴えは西洋医学の最も苦手としているる症状の一つと言えます。

 

それは、痺れを取るには神経・リンパ・筋肉の縦方向の流れ、東洋医学ではそれらを束ねたものを経絡と呼び、経絡の流れが滞り弱った状態になると痺れが出現すると考えます。またそう言う考えからアプローチしないと痺れが取れにくいためです。

 

 

注意点として痺れ症状には脳梗塞、脳出血、それらの前駆症状やALS(筋萎縮性側索硬化症)、糖尿病、神経炎といった疾患が原因で出ている場合があります。したがって西洋医学的な検査は必要です。

また脳梗塞や脳出血などからの痺れは、脳の神経細胞の障害で、感覚神経(温度感覚、痛覚、触覚、圧覚)と運動神経の両方が広範囲に侵されたもので、痺れではなく麻痺として捉え、区別する必要があると考えています。

 

 

 

痺れの原因

 

 

 

痺れには神経の圧迫から来るものと、循環障害から来るものと大きく二つの原因が考えられます。
加齢やケガ、手術などにより、骨や関節、椎間板、筋肉、腫瘤、浮腫などが変形、変性、突出、拘縮などをおこし、神経や血管が圧迫されて痺れが起こると考えています。

東洋医学では神経起因、循環起因どちらであっても、気血の流れの滞りと考えます。

 

 

痺れの部位

 

手のどこに痺れがあるのか

 

(両手か、片手だけか、上腕か前腕か、手の甲側か掌側か、指の母指側か小指側か、それぞれが組み合わさったものか)

 

など痺れの部位と範囲によって、原因が異なります。

 

 

痺れの形容による差異、

 

ピリピリした痺れ、ジンジンした痺れ、痛みを伴う痺れ、などによって痺れの病態が異なります

 

 

手の痺れの原因

 

痺れに限らず、全ての病気は、以下の2つに分けられます。

 

1つは、愁訴部だけの局所的な疾患。

2つめは脳から脊髄や末梢神経、血液循環といった中枢部と関連した疾患

 

痺れも同様に、局所に問題のある痺れと中枢と関連した痺れがあります

 

 

 

局所が原因の手の痺れ

 

西洋医学の病名では

 

手根幹症候群(手首にある手根幹部で正中神経が圧迫されて出る痺れ)

肘部管症候群(肘の内側の尺骨神経が圧迫されて出る痺れ)といった

局所の神経圧迫症状です。

 

 

 

中枢が原因の手の痺れ

 

頸椎の神経根部での神経圧迫、

胸郭出口部での神経圧迫または血管圧迫

東洋医学では痺れが出ている経絡上の気血の滞り。

 

東洋医学では痺れを神経や血管の詰まりとは考えず、経絡(ツボとツボを結ぶライン)の詰まりと考えます。

その経絡の詰まりにより弱って流れなくなった経絡に対して、関連する経絡を利用して修復することで痺れは取れていきます。

 

 

 

特徴

頸椎からの痺れは,デルマトーム(脊髄レベル)や経絡に沿って縦に出ることが多い。

痺れに対してはブロック注射や鎮痛薬の効果が見られないことが多い

局所の痺れ以外は、手術をしても痺れが取れないことが多い。

 

 

 

治療

 

 

 

痺れ症状だけか、痺れに痛みを伴うのか、両手の痺れか片手だけの痺れか、痺れは手の内側か外側か、痺れは指先から体幹に向けて広がっているのか等によって病態が異なり、鍼灸治療、遠絡療法のやり方が異なります。
痺れの治療は東洋医学独特の五行という考え方がないと取れない場合が多いです。

 

 

鍼灸治療は痺れの原因部位と痺れの走行に対して行います。

遠絡療法は局所と離れた部位を、東洋医学独特の五行という考え方で行います。
また場合によって脊髄に対する治療を加えます。
技術面は治療者向けとなるので省略します。

 

 

自分で出来ること

 

 

痺れが憎悪する姿勢や運動を避ける

運動は鍛えようとして、痺れの悪化をこらえてまでやらないようにしてください。
病の長期化による筋力低下を防ぐには、痛くない方向に負荷をかける。もしくは痛くない部分を鍛えることで基礎代謝を高めましょう。

 

痺れが強くなければ暖かい時間帯のウオーキングもお勧めです

 

シャワーではなく、浴槽で全身を温めるようにしてください

 

 

 

手のしびれの症例はこちら

 

 

 

 

「握力低下」

痺れとの関係によって出現します。つまり経絡の詰まりが原因と考えます。

 

握力低下の症例はこちら

 

 

 

 

 

 

(2) 首の痛み

 

 

 

首の痛み

 

 

症状

首の痛みは筋肉や関節といった動きに関連した整形外科分野の訴えが主です。
それを2つに分類することが出来ます

 

1、首そのものが痛い場合

2、首を動かすと肩や手にかけて放散痛や痺れがでる場合

 

 

1の症状について(首の局所的な疾患)

 

特徴

 

急性的な 寝違いなどによる痛みに代表される、首の回転や上下動作などが
痛くて出来ない症状です

 

原因

いわゆるスジを痛めた状態。筋膜の部分的な損傷や筋の疲労などが原因で、首から
肩甲骨や肩にかけてひきつった痛みを伴うことが多い

 

治療

急性症状であり1回の鍼灸治療で治るケースも多い。放っておいた場合、ふつう2、3日で治ります。ただし鎮痛薬が効き難いため2週間ほど経過しても治らないケースがあり、当院に来院されることがあります。

 

鍼灸治療及び遠絡療法の即効性がみられる疾患の一つです。

 

鍼灸治療は首の患部を中心に周囲の筋肉を緩める治療をおこないます。

遠絡療法は患部と関連した経絡(ツボを結ぶライン)に対しておこないます。

 

自分で出きること

温める、患部は揉まない

 

再発防止
凝りや疲労を貯めないように肩や首のストレッチ。毎日のウオーキングを行うようにしましょう

月に1度鍼灸治療を行うと大きな予防効果となります。

 

2の症状について(首の末梢神経の圧迫によって起こる。中枢部と関連した症状)

 

特徴

いわゆる頸椎症と言われるもの。頸椎の神経出口(根部)での神経圧迫によって、肩や手に痛みや痺れが出ます。
頸椎症の場合は片方の上肢に症状が出ますが、頚髄(脊髄)が圧迫される頸髄症では、両方の上肢に痺れが出たり、モノが掴みにくいといった巧緻障害の出ることがあります。

 

上を向くなどの動作で首の神経が圧迫され、片方の上肢に痺れや痛みが出ることが多い

 

原因

加齢や首の骨の変形による末梢神経の圧迫です

 

整形外科にて首の牽引や鎮痛薬やビタミン剤などの服薬治療を受けている方も多く、症状が良くならないので来院されるケースが多いです。

 

治療

即効性があるケースも多い。基本は少し腰を据えて治療を続けることが必要です。

鍼灸治療は患部への治療と経絡を利用した治療をおこないます

遠絡療法は患部は触りません。場合によっては脊髄に対してと、関連した経絡へおこないます。

 

 

自分で出来ること

上を向いたり症状が憎悪する動作を避けましょう。
温めるほうが良いでしょう

 

5回を1クールとして鍼灸治療、遠絡療法を受けます

 

予防

首を痛くない方向にストレッチしましょう。

運動は鍛えようとして、痛みをこらえてまでやらないようにしてください。

筋力低下を防ぐには、痛くない方向に負荷をかける。もしくは痛くない部分を鍛えて基 礎代謝を高めましょう。

痛くなければ暖かい時間帯のウオーキングもお勧めです

シャワーではなく、浴槽で腰を温めるようにしてください

 

 

 

首の痛みの症例はこちら

 

 

 

 

 

(3) 五十肩(肩関節の痛み)

 

 

五十肩  (四十肩とも呼ばれる)

 

症状

 

五十肩は病名ではなくバスケットネームと言われるもので、「肩関節を動かすと痛い、挙がらない」といった中年頃から出てくる状態を、全て五十肩と言った症候名で呼んでいます。

 

 

原因

 

五十肩は、明らかな原因がなくて症状が現れる。肩関節組織の退行性病変です。

 

一般的に肩関節に痛みや可動域障害を起こす病名は、上腕二頭筋長頭腱炎、棘上筋鍵盤損傷、石灰沈着性鍵盤炎、などの症状です。

はじめは疼きと痛みが主流の時期(疼痛性筋性痙縮期 Freezing phase)

次に痛みが治まってくると肩関節の可動域制限が強くなって来ます(筋性拘縮期 Frozen Phase)。

そして回復期(Thawing  phase)へと向かうような3期の過程をとります。

 

 

ただし疼痛時期から過度域制限の出るケースも多くあります。

特に五十肩の場合は下垂位でも動かせば痛みがあり、腱板断裂や肩峰下滑液包炎、上腕二頭筋長頭腱炎などは肩関節の屈曲、外転などには痛みが出ても下垂位で痛みは出ません。

 

肩関節滑液包内に問題があり炎症があれば、肩関節の熱感や腫れが周囲に広がり。肩関節広範囲に圧痛が現れ疼きの訴えが出ます。そして炎症と痛みが引いてきた頃から障害となるのが、挙上制限や可動域制限などです。

滑液包外の腱などに問題があれば、その部位の局所的な圧痛と、一定の方向への可動域制限がみられます。

世間一般では上記の症状全てが五十肩として扱われているように思います。

 

注意を要するのは肩関節が原因では無いのに、肩関節の挙上障害などの症状が出る頸椎症性 筋萎縮症 〔キーガン 型頸椎症)などの肩関節以外の疾患の鑑別です。(鑑別の詳細は省略します)

 

 

 

治療

 

 

鍼灸治療は肩関節周囲に疼きのある場合は、まず疼きを取る治療を行います。疼きが治まったら、次に可動域角度を広げる治療を行います。

疼きは鍼灸治療で比較的早く治まることが多いです。

遠絡療法は患部ではなく、痛みの主となる経絡と関連した経絡に対して治療をおこないます。

 

 

自分で出来ること

 

 

疼きのある場合。

①疼きがひどくなるのはたいてい就寝時。特に朝方が多いようです。寝るときに肩関節が布団から出て冷えないように、できれば肩関節周囲を自分の体温で保温するように綿や羽毛のような布で覆ってください。

②お風呂は就寝前に入らず夕方早めに入ってください

③禁酒してください(疼き時だけです)

④幹部を揉まないようにしてください

 

可動域を広げる体操は

疼きが治まってから行ってください。

可動域体操は、可動域限界から痛くない方向に向けて動かしてください。

肩関節は肘や膝など他の関節に比べて可動範囲が広いのが特徴である。そのぶん関節の噛み合わせが浅い為にとても複雑な構造で、整形外科の不得意な関節疾患の場所の一つです。

 

鍼灸治療の分野でも肩関節治療を苦手とする鍼灸師が多い。ただしその構造と病態を理解すれば、辛い痛みや可動域は必ず改善されます。

 

関節内に問題があるのか、関節を構成する腱に問題があるのか、熱感、腫脹、可動域制限の方向や角度など細かく診た上で、治療の方法を変えなければならない。

 

肩関節疾患で腱板断裂や肩峰下滑液包炎など、病気の原因と病名がはっきりする疾患と、五十肩のように様々な原因によって起こりうる症候名とがあります。

 

また治療の段階では東洋医学、特に経絡(ツボとツボを結ぶライン)という考えを基にすればとても早く治るものがあり、逆に西洋医学的な治療ではなかなか治り難い肩関節疾患があります。

 

 

 

 

 

 

 

肩関節痛の症例はこちら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近の症例