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「後遺症が残るかも」と医師から言われ、不安になって来院された顔面神経麻痺症例 51歳 女性

顔面神経麻痺が発症する2日ほど前から患側の耳周囲が痛かった。20日前の発症日の朝は唇を動かすのに少し違和感を感じていた。19時頃にうがいが出来ず水が漏れることに気づき、20時に病院の救急外来を受診した。MRIに異常は見られず医師がヘルペスを指摘した。翌日再度病院の耳鼻科を受診したが、その時には熱が出ていてしんどい状態であり入院となった。血液検査での異常は無く元々甲状腺機能低下症があり服薬にチラージンと眩暈が出ていたためにメイロン。そしてアデホスと胃薬にステロイド点滴を9日間行い退院した。発症から2週間後の表情筋の電気検査(ENOG)は17%。医師から「後遺症が残るかもしれません」と言われて不安になり当院をネットで調べて来院された。

 

<初診時>発症日から20日後

当院での顔面神経麻痺評価テストは6点。耳の周囲に違和感があり、歩行動作にフラフラ感がある。味覚異常もある。鍼での治療を行い当面週2回の施術を勧めた。

 

<8回目>発症から50日。当院初診から1か月経過。

顔面神経麻痺評価テストは16点。見た目はわかりにくくなりつつある。耳周囲に違和感とジーンとした感じがあり耳鼻科の担当医から

「少し良くなっているようだが耳の症状も完全には治らないかもしれない」と説明を受けたようだ。

 

<16回目>発症から2か月半。当院初診から2か月経過

顔面神経麻痺評価テストは18点。2日前に耳鼻科を受診し医師から「ずいぶん好くなっている」とビックリされたお話をされた。フラツキもほぼ無くなり、口角もイーっと横へ広がる。

 

<24回>発症から3か月半。当院初診から3か月経過

顔面神経麻痺評価テストは22点。顔は見た目ではほぼわからないほど回復している。ウガイ時にまだ少し水がこぼれるとのことである。

これ以後ご自身の都合で週1回の治療間隔になった

 

<29回>発症から4か月半。当院初診から4か月経過

顔面神経麻痺評価テストは24点。食事時の口内残渣物も無くなりうがいもウガイも問題ない

 

<34回>発症から5か月半。当院初診から5か月経過

顔面神経麻痺評価テストは26点。瞬き時に口角から頬が動き、ウオの口をするとで下瞼がピクピク動く後遺症の共同運動が出ている他はほぼ正常に見えるほど良くなっており、医師からも「良くなった」と言われたようだ

 

<37回>発症から6か月半。当院初診から6か月経過

顔面神経麻痺評価テストは30点。点数だけで見ると治ったとは言えないが、家族から見てもわからないほどになっており、ご本人もこのぐらいで満足されているようで、家計の問題もあるとのお話で略治とした。

 

(考察)

顔面神経麻痺も中等度から重度になると顔面神経麻痺罹患前の状態にまで回復する方は少ない。見た目は全く分からなくても動かせば患側の目の下がピクついたり、目そのものが細くなるような後遺症が出てくる。ただこれらの症状が日常ではほとんど気にならないレベルと予測できれば施術者としても今後の施術について話し合いをする時期が来る。この症例で言うとまだ後遺症が進行する時期である。後遺症によって共同運動は進むだろうが、日常生活に支障があるかの感受性は人それぞれによる。また見た目についてももう少し患側側に引き上げられるようなゆがみも出るだろうが、観察しないとわからない程度の歪みだろうと予測した。ただしご本人が後遺症を進行させない様な表情筋の動かし方や、顔の保温やマッサージなどの注意やメンテナンスはしばらく欠かせないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

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