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急性腰痛(ぎっくり腰)で2日前から起き上がれず、往診依頼のあった症例。71歳 男性
2日前の朝に植木の剪定をしていて、腰の抜けそうな違和感を感じた。ここ10年来毎年1回は激しい腰痛が出ているので慎重に行動していたが、やはり昼頃から腰に力を入れると抜けそうな痛みが出るようになり横になった。横に寝ると腰痛で寝返りさえ出来ない状態となってしまった。それからはまったく起き上がれない状態で、トイレに行くのに1時間ほどかけて四つんばいになる有様でまる2日間寝ていた。しかしそれでも起き上がるのが難しい状態であるため、家から一番近い往診可能な鍼灸院をネットで検索して、当院へ往診依頼の電話がかかってきた。
■診察
[ 初診 ]
患者様はベッドではなく畳の上に布団を敷いて寝ている。患側は右で足に痛みも痺れも無いが、腰を動かしたときに腰部と臀部からソケイ部にかけて強い痛みがでる。整形外科的な徒手検査をするのも苦痛を誘発するので、兎に角痛みを取る事にした。治療は鍼灸治療と遠絡療法をおこなった。患部の原因は腰椎4番の椎間関節の捻挫様の痛みである。
治療後は寝返りが出来、何とか自力で立ち上がれるまでになった。しかし立つって患部に体重がかかると痛みのために体を支えきれない状態であった。立った姿勢でもう一度治療をおこなった後は、物につかまるとなんとか立てる状態になったので1回目の治療を終えた。
[ 2回目 ]
「昨日の午後から腰痛が随分調子がよくなり、家の中をつかまりながらウロウロできるようになった」とのお話であった。そこで2回目の治療は立って動いたときの腰痛に対しておこなった。
治療後は動いてもほとんど痛みを感じないとのことなので、急性腰痛は一旦略治とし、今後はこういった腰痛を防ぐために、月に1度は予防のために治療に来ていただくこと。また姿勢に気をつける事と、運動法の指導をおこなった。
■考察
東洋医学には腎虚による腰痛など、西洋医学とは違った腰痛に対する考え方がある。腎は体の基となるエネルギーを指し、腎は腰を支える基となっている。一定の年齢を過ぎての腰痛には必ず腎が関わっていると考えてよい。腎性の腰痛の特徴は腰の重さやだるさの訴えであり、
慢性的に繰り返す腰痛である。この症例もベースは腎虚である。