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腰から臀部・足の裏(足底部)にかけての痛みと疼きがつらい 72歳 女性

腰から左の臀部・足の後側と足の裏(足底部)にかけて痛みと疼きがある。特に夕方に夕食の支度で立っておれない状態で、安静時にもジンジンと疼く。整形外科にも通院しており鎮痛薬を飲んでいるが全く効果が無い。整形外科のMRIでは加齢が原因だと言われた。2年ほど前から症状がだんだんとひどくなってきており、整形外科ではどうにもならず漢方薬が良いと聞いて漢方薬も飲んでいるが症状は変わらない。歩行距離に問題は無く座位姿勢も楽である。息子さんの理容院を手伝っており、足の疼きは仕事による長時間の立位姿勢が原因と考えておられるようだ。他の病気として糖尿病と高血圧がある。

■診察
[ 初診 ]
坐骨神経痛でも下肢後側型のタイプで、最も疼きが強いのは足の裏(足底部)であり、次いでつらいのは臀部の坐骨結節あたりである。治療は鍼と灸(米粒の五分の一ぐらいの大きさの灸)をおこなった。治療後坐骨神経経路上の疼きが消えた。

[ 2回目 ]
「ものすごく楽になった」と言って治療室に入って来られた。夕食の支度もつらくなかったとのお話であった。
[ その後の経過 ]
現在まで9回の治療をおこなっている。主訴の腰・下肢・足底部の疼きが軽快することで、主訴以外の肩関節痛や耳鳴りなどの訴えに対して治療を引き続いておこなっている。

■考察
この症例のように下肢後側の神経経路の愁訴は、人間の構造上最も負担のかかる腰椎最下部の、器質的な変性や疲労・循環不全等による気血の流れ不足が原因と思われる。
これは人間の加齢による宿命とも言えるものだが、日々の姿勢やストレッチ、冷えを防ぐ等により一定予防をすることができる。また「見病を治す」というように、定期的な鍼灸治療を受けることが体を長持ちさせるコツであろう。

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