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腰部脊柱管狭窄症状と圧迫骨折による脊柱起立筋の硬結など、老化に起因した 慢性腰痛 85歳 女性
最近では珍しいくらい腰を曲げたお年寄りが腰痛と歩行困難を訴えて来院された。1分ほど歩くと痛みとだるさで歩けなくなる。炊事など立位で家事をするとすぐに腰が痛くなるとの訴えである。腰はかなり曲がっており病院でのX線上では、圧迫骨折部位が2箇所と腰椎の歪みなど骨の老化から脊柱管狭窄症になっていると言われたらしい。また臀部から下肢への神経痛様の痛みがある。
■診察
[ 初診 ]
俯け(背臥位)になってもらっても、脊柱が円背様に後湾して固まっておりベッドとの間に隙間が出来る状態である。圧迫骨折部位を巧打しても固まっていて痛みは無い。背部の起立筋がとても硬くこれも痛みの原因の一つのようだ。また臀部から下肢に神経痛様の痛みがある。しかし下肢に痺れの訴えは無い。
治療は脊柱管狭窄症の原因と思える下位腰痛と圧迫骨折部の上位腰椎。それに脊柱起立筋部に対して鍼灸治療をおこなった。遠絡療法は筋硬結を治療するため時間的に無理と判断した
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[ 経過 ]
1週間に1回の間隔で治療をおこなってきた。現在半年が経過し立位で20分家事を行っても掃除機をかけても痛みは出ない。腰は脊柱の骨と関節が固まってくっついている箇所があり、曲がりそのものの改善は難しい。しかし痛みが無いのと、脊柱の筋肉が治療を続けてきたことで当初よりかなり柔らかくなったことで、体の動きが軽くなっている。また坐骨神経痛の方も重さが臀部にややあるが痛みそのものは消失している。脊柱管狭窄症による歩行は腰が曲がっており杖無し歩行は難しいが、10分以上連続して歩けるようになった。
■考察
脊柱管狭窄症は高齢になるとなりやすい。言わば脊椎の老化によって脊柱管が狭くなったことで脊髄または神経根を圧迫して発症する。本症例でも脊柱管の老化に起因して狭窄症状になり間歇性波行となっている。このような背骨の老化による変性と、骨折に起因した背骨の変形によって、姿勢の保持とバランスが保てなくなった事が生活に大きな支障を来たしている。。年齢から考慮すると、治療して治す要素よりも、慢性的な腰痛と上手に付き合っていくために、鍼灸治療によって少しでも楽な日常が送れるという視点で治療にあたった。