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不妊症   (体外受精で一度も着床しなっかった方のうれしい症例) 34歳女性

以前不妊症等の治療で当院を受診されていた患者様から、1年2か月ぶりに治療ご予約のお電話を受けた。明後日凍結していた受精卵を子宮に移植する予定なので、ぜひ診てもらいたいとのお話であった。
この方は2年8か月前に当院に不妊、冷え性、アトピーを主訴として来院された方である。
■2年8か月前の状態
不妊については当院に来院されるまで人工授精を3回試み、体外受精を4回試みたが一度も着床せずに終わっている。産婦人科も2件目で本格的な不妊専門治療をおこなっている。
今まで産婦人科での検査上は器質的な不妊の原因は見当たらないと言われており、黄体機能不全と診断されている。ご主人にも器質的な異常は見られない。

産科では卵子が冷えると良くないと言われ、また医師から漢方薬には科学的根拠が無いと説明を受けつつ当帰芍薬散という漢方薬を出してもらっている。
患者様ご自身で、「体質の改善をしなければ妊娠は難しい」と考え、どうすれば良いかわからないまま鍼灸治療経験も無い中で疑いつつ来院された。
■所見(2年8か月前時点)
脈診 (浮、虚、細、緊 、稍々遅、稍々渋)脈は浮いて細く締まっているが力ない
舌診 (紅こう、無苔、歯痕)
腹診 (臍上動悸、膨隆、下腹部瘀血圧痛)
背診  腹背固い

読まれても何のことかわからないと思うが、古来からの東洋医学的な検査で、かなり根本的な治療が必要だということです。

皮膚について特に首スジから手掌までアトピーによる皮膚の荒れが顕著で、固く血がにじむ箇所もみられる。
また下腹部が冷たく、さらに足の冷たさも異常であった。

上記のような状態であり、これではいくら体外受精を試みても妊娠する可能性が無いと考えられた。これは不妊治療以前の問題であり、まず妊娠が可能な体へと、消化器、循環器、呼吸器、婦人科、心療内科など全てを対象に整える必要があった。
これを東洋医学では気血の流れを正常にすると言う。
■治療
[ 週1回程度の治療をおよそ1年間おこなった ]
アトピーによる皮膚はほぼ完治した
下肢の冷えもなくなった。
脈診、舌診、腹診ともに大変良い状態となった。
この間採卵をおこなったが、体外受精はおこなっておらず、体外受精は費用がかかることから見合わせるとのことであった。体調が改善してきたのでタイミング法をおこなうということであった。
保険の関係から一旦鍼灸治療が中断となった。

[ その後1年2か月して来院]
冒頭に書いたように1年2か月して当院を受診された。
「凍結保存してある受精卵があり明後日移植することとなっている。その前にぜひ診てもらいたい」とのお話であった。

■所見

脈、舌、皮膚ともに良い状態である。
臍下やや冷たく、腰部が固いのでそれを念頭に治療をおこなった。
治療後は脈、舌、皮膚ともベストな状態に整った。
「今まで体外受精で一度も着床しなかったが、これならいけそうである
成功したら知らせて欲しい」旨を伝えて治療を終えた。

■その後(考察)
移植後25日してご本人から電話があった
「妊娠しました。心拍もしっかりしているとのことです。先生のおかげです」との喜びのお電話である。とにかく安定期に入るまで安心するのはまだ早い旨を伝えた。

(出産後すぐの可愛い赤ちゃんとのお写真を送っていただきました。)

結婚年齢の高齢化と少子化の中で不妊治療は最も優先するテーマの一つだ。ただし上記症例のように母体の状態を抜きに不妊治療はあり得ない。

今後の不妊治療が東洋医学と併用すればさらに妊娠の可能性は向上する。

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