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顔面神経麻痺になっても糖尿病がある為ステロイド治療が行われず、さらに坐骨神経痛、腰痛、肋間神経痛などの治療を併せておこなった顔面神経麻痺症例 65歳 男性
2週間ほど前に右耳の音が過敏に聞こえるようになり、加えて耳の周囲が痛くなってきた為総合病院の神経内科を受診した。MRIには異常が見られず末梢性の顔面神経麻痺と診断された。糖尿病があるためにステロイドの治療はせず、メチコバール(ビタミンB12)と目の保護のために目薬を処方され、自宅での顔面神経麻痺マッサージの方法を書いた紙をもらった。顔面神経麻痺評価や電気生理学的な検査などまったく無く、次回の受診は1か月後とのことであった。病院の治療に不安と不審を覚えネットで当院を調べて来院された。
■診察
[ 初診 ]
当院での顔面神経麻痺評価点数は8点。味覚異常は無い。耳痛も現在は治まっている。治療は鍼灸治療のみをおこなった。治療後は顔がすっきりした感じがあるとのことであった。週2回の治療をお願いした。
[ 5回目]
しゃべりやすくなった(自覚症状)
[ 9回目]
顔のゆがみが改善されつつあり顔の印象がしっかりしてきた(自覚症状、他覚的所見)
[ 14回目]
顔面神経麻痺発症から約2ヶ月、当院初診から40日経過。顔面神経麻痺評価点数40点満 点中の16点。
[ 19回目]
顔面神経麻痺発症から約3ヶ月、当院初診から2か月と10日経過。顔面神経麻痺評価点 数22点。
[ 23回目]
顔面神経麻痺発症から約3ヶ月。当院初診時から約3ヶ月と10日経過。顔面神経麻痺評価 点数26点。
[ 28回目]
釣りに行って突発性腰痛(ぎっくり腰)になり整体に行ったが余計に痛くなり、お尻の方まで 痛みを感じるようになった。海外出張で飛行機に長時間乗らないといけない。とのことで顔面 神経麻痺よりもその治療を行う。治療後随分楽になった。(2日後も治療を行い略治とした)
[ 33回目]
足の甲に痺れを感じるとの訴えがあり、顔面神経麻痺よりもそちらの治療を優先した。治療 後足の痺れ消失。
[ その後の経過]
発症から約10か月経過した時点でご本人から、顔面神経麻痺については日常で気になることや困ることもなくなったとのお話があり、一旦略治として後遺症の経過を見るため2週間に1回間隔をあけて治療を継続することとした。この時点での顔面神経麻痺評価点数34点。瞬き時に口角がピクピクと上がるが、さほど目立った後遺症は今のところ出ていない。この間には海外出張により治療に来れなかったり、坐骨神経痛による足の痺れの再発。肋間神経痛発症など顔面神経麻痺以外の治療も行ってきた。
■考察
この症例は顔面神経麻痺が発症しても糖尿病のためにステロイド治療ができなかったケースである。顔面神経麻痺発症後2週間目の顔面神経麻痺評価点数が8点なので、重度に近い症例である。さらに海外出張や坐骨神経痛、足の痺れ、肋間神経痛などで顔面神経麻痺治療を
出来なかった期間があった。にも関わらず順調に経過しており、顔面神経麻痺発症2週間後という早い段階から鍼灸治療を開始したことが功を奏した症例と考えている。