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汗をかきクーラーで冷やして発症したと思われる顔面神経麻痺 58歳 男性

2ヶ月前に発症。会社勤務と農業の兼業で仕事をされており顔面神経麻痺発症前はかなりの疲労感があった。顔面神経麻痺発症当日炎天下の農作業をおこない、汗をかいたままクーラーをつけて昼寝をしてしまい目が覚めて顔の動きが鈍い事に気がついた。その日の夕方かかりつけの内科医院を受診し総合病院の耳鼻科を紹介された。翌日受診しそこで脳のMRIを撮ったが異常は見られなかった。入院を勧められたが仕事が忙しい為、治療は通院しながらステロイドとメチコバールの服薬をすることになった。はじめはハント症候群の疑いがあると言われたが1週間後の受診時にベル麻痺に訂正された。またその病院では顔面神経麻痺の表情筋に対する電気生理学的検査(Enog)をおこなっており、発症後20日ほどしての検査では0パーセントと診断された。しばらくしても症状に変化が見られず病院の治療だけでは不安になったため、友人の整骨院に相談に行き、そこで知り合いの鍼灸院を紹介された。鍼灸院で6回治療を受けたがそこで神経ブロック注射との併用を強く薦められ、その鍼灸院に不信感を抱き自身で当院を調べて来院された。

■診察
[ 初診 ]
当院受診時で顔面神経麻痺発症後2ヶ月が経っており、当院初診時の顔面神経麻痺評価点数は40点満点で18点であった。味覚は正常で耳内に少し圧迫感がある。今までの臨床経験から顔面神経麻痺の程度で言えば中等度のまん中あたりである。予後を推定すると顔の状態は、外見からは顔面神経麻痺になったことが分からない状態にまで回復する。しかし瞬きで口元が動くなどの共同運動が後遺症として軽度に残ると予想し、その旨を説明した。治療は鍼灸治療のみをおこなった。
[ 2回目]
耳内の圧迫感消失。週2回の治療間隔で来院をお願いした。

[ 3回目]
「ウィンク動作をしようとして頬の上が動くようになった」とうれしそうにお話をされた。

[ 22回目]
当院での治療開始後3ヶ月。「知っている人と1メートル離れて会話しても相手には顔の麻痺はわからないんでしょうか」とのお話があった。「まずわからないでしょうね」と答えた。顔面神経麻痺評価点数30点。額のしわも平行にそろい。鼻唇溝もほぼ左右対称になっている。問題は共同運動と顔面表情筋の短縮による強ばりなのでその変化を見守っての治療が必要な旨を説明した。これ以後は週1回の治療間隔とした。

[ 26回目]
顔面神経麻痺発症から4ヶ月。顔面神経麻痺評価点数40点満点中の36点。顔面神経麻痺後遺症もほとんど出ない状態で推移しており、これ以後は2週間に1回の治療とした。総合病院の耳鼻科では治癒とされた。

[ 31回目]
顔面神経麻痺による後遺症の進行も見られない。顔面神経麻痺評価点数40点。治癒とした。

■考察

顔面神経麻痺は東洋医学では風邪(ふうじゃ)によると言われるが、この症例ではそれに寒邪(かんじゃ)と労倦(ろうけん)が加わり発症している。また顔面神経麻痺の評価として電気生理学的検査が実施されており、0パーセントと言われた。それならここまで回復するとは思えず計測に疑問がある。

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