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顔面神経麻痺の後遺症による歪みと共同運動を考えさせられる顔面神経麻痺症例 41歳 女性

1カ月前の朝起床時に目の閉じにくさを覚え病院の脳神経外科を受診しMRI検査をした。しかし異常は見られず医師から「首と肩に電気をあてましょう」と言われて2日間通院した。3日後に耳の痛みが出たために近医の耳鼻科を受診しヘルペスと言われた。医師に紹介状を書いてもらって大病院の耳鼻科を改めて受診し顔面神経麻痺と診断された。翌日から入院し8日間ステロイドの点滴をおこなった。退院時顔のマッサージの用紙と3週間分のビタミン剤(B12)や抗ウィルス剤(アデホス)をもらって服薬していた。9日前に再受診し顔の電気検査をしたが結果説明はされなかった。

 

<初診時>顔面神経麻痺発症から1か月経過

顔面神経麻痺評価点数8点。仰臥位での閉眼可能。立位坐位での閉眼は不可。味覚異常あり。治療は鍼灸施術のみおこなった。

 

<4回目>

病院耳鼻科で顔の電気検査実施。38パーセントであった。

 

<15回目>発症から5か月経過。当院初診から3か月経過

顔面神経麻痺評価点数20点。ご本人の事情で2週間に1回程度の施術間隔となっている。イーっと口を横に広げるのはほぼ元の状態にまでなった。後遺症の出る頃であり、観察すると患側のほうれい線と上唇が斜め上に上がってきている。

 

<その後の経過>

施術間隔が1か月空いたりしながらも発症から9カ月経過し21回の施術をおこなって、顔面神経麻痺評価点数30点になった。30点ともなると見た目では顔面神経麻痺とはわからないし、日常も困らない点数である。

その後8カ月間に3度来院され施術をおこなった。この8カ月の間にも顔面神経麻痺後遺症の進行は起こる。眼下の痙攣や患側のほうれい線と上唇が患側斜め上へ挙がってくる。また目の動きに伴い患側口の横から頬の筋肉が動く。逆に口を動かした時に患側の瞼が細くなるといった変化が見られた。この患者様の場合はこれらはあくまで観察した場合にわかることであって、日常でわかるほどのレベルではない。

 

(考察)

後遺症については顔面神経麻痺に罹患された重度の患者様に関わる共通の課題である。施術期間と施術間隔、施術回数。日常生活上の表情筋の動かしかた。リハビリ指導としての正しい表情筋運動(ミラーバイオフィードバック)。こまめなマッサージ方など。全てが予後と関わってくる問題である。

顔面神経麻痺は誰もが気にする顔の疾患だけに、重度判定や現状から見た予後の推移。後遺症をにらんでの日常の指導など、施術者としての力量と経験によって予後が大きく左右される疾患である。

 

 

 

 

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