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顔の状態は変わっていないのに、医師から服薬終了と自然治癒を待つよう言われ不安で来院された顔面神経麻痺症例 20歳 男性

9日前の朝、顔の異変に気付き翌日病院救急外来を受診した。MRI、血液検査異常なし、ステロイド(プレドニン)が処方された。翌日病院耳鼻科をあらためて受診し、ヘルペスが原因の顔面神経麻痺と診断され、ステロイドに加え抗ウィルス薬パラシクロビルと点眼薬が処方された。

2日前に再受診しての顔の表情筋の電気検査では26パーセント。医師から「今飲んでいる薬が終了したら自然治癒を待ちましょう」と説明された。顔面神経麻痺発症から顔の状態は全く良くなっていないので、医師から様子を見るように言われて不安になり、知人から当院を紹介され来院された。

 

<初診時>

当院での顔面神経麻痺評価テストは10点。点数的には重度だが顔面神経麻痺発症9日めなので症状の悪化ピーク時点にあたる。今後2週間の動きで症度と予後や後遺症の有無はわかると説明した。特徴的な訴えでは患側瞼の痙攣(++)や耳周囲の痛み(++)味覚異常(++)などである。治療は針治療のみを行った。

 

<2回目>前回から8日後

顔面神経麻痺評価テストは16点。前回治療後食べやすくなった。味覚も正常になってきた。瞼の痙攣も頻度が減った。耳周囲の痛みも減った。仰臥位で閉眼時に1ミリ程度開いている。

 

<3回目>前回治療から5日後

顔面神経麻痺評価テスト28点。症状が急激に改善している。観察すると鼻以下が正中線から少しだけ健側に寄っているが、ここまで改善するとまず普段の中では顔面神経麻痺とは判らない。

 

<4回目>12日後

顔面神経麻痺評価テスト34点。ほぼ正常である。細かく観察すると、鼻翼の動きと、イーっと口を横に開く動作に少し症状が残っている。

 

<5回目>前回から8日後。顔面神経麻痺発症から1か月と12日経過。当院初診時から33日経過。

顔面神経麻痺評価テスト40点満点の40点となり、治癒とした。

 

 

(考察)

顔面神経麻痺が発症して悪化のピーク時に来院された症例である。顔面神経麻痺症状が改善されない中で、医師から服薬中止と自然経過を待つよう言われたのだが、例え大病院ではあってもこの時期、ステロイドは中止しても、効果の有無は別にしてビタミン剤や抗ウィルス剤くらいの処方はしている時期だ。患者の立場からは不安になろうかと思える。医師の判断では自然治癒力と薬効の差は無いとの判断だったのであろう。

 

 

 

 

 

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