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両足の足底(足の裏)を中心にしたジンジンした痛みと痺れ 42歳 女性
2年程前から左足の母指尖がビリビリするように感じ始め、1年半程前からは足底部を中心に一日中ジンジンとした痛みと痺れが出るようになった。特に横に寝ると症状がきつくなる。加えて腰もお尻も痛くなってきた。病院ではX線で背骨の歪みと椎間部の狭小を言われビタミンB12を処方された。しかし症状が変わらないので別の病院を受診してMRI検査をした。医師から「背骨に少し歪みはあるが特に異常は見られない。大丈夫」と説明されただけだった。その後整骨鍼灸院で1週間に1回電気治療や鍼治療を半年間受けた。しかし症状が良くなったり悪くなったりを繰り返し治る気配は見られなかった。そこで整体(カイロ)を受診し体のバランスが悪いと説明されて背骨が真っ直ぐになるような治療を受けた。それ以後ジンジンした痺れがより強くなってしまい、また元の整骨鍼灸院で治療を受けるようになったが、この頃から反対側の足底部にもジンジンした痛みと痺れが出るようになったので、別の整体治療に3ヶ月通院したが症状は変わらなかった。鎖肛疾患、掌蹠膿疱症、自己免疫疾患があり、最近大きな病院の脳神経内科で色々と検査をしてもらったが、昨日「異常なし」という結果が出た。当院をネットで調べて来院された。
<初診時>
両足底の訴えだが、初診時は脳の両下肢への影響を考慮したのと、左側の下肢に対して遠絡療法と鍼灸治療を行った。治療後は左足底のジンジンとした痛みと痺れが軽快した。
<2回目>前回治療から2日後
前回治療後足底の痺れが左下肢が10→4になり、右も愁訴が軽減した。また痺れの範囲も足底全体から足底母指根から母指にかけての範囲へと減少した。
<3回目>前回治療から4日後
この間一旦愁訴がさらに軽減したが、翌日には10→8へと戻ってしまった。足底の痺れの範囲も前回の縮小した範囲より少し広がった。そこで遠絡療法での治療を脳からの指令と言った観点からと、腰部の治療から少し上部に範囲を変更した。
<4回目>前回治療から5日後
この間は足底のジンジン感や痺れが随分楽になった。しかし足底痺れの範囲が母指側から小指側にかけてと広がっている。
<5回目>前回治療から5日後
東洋医学の脈診からは胃の気が弱いのでその治療を加えておこなった。
<6回目>前回治療から7日後
右下肢の愁訴は範囲を含めて軽くなったが、左下肢のジンジンががきつい。
治療は遠絡療法と背部腰部及び下肢の鍼灸治療を併用した。
<7回目>前回治療から2週間後
この間、両足ともに愁訴のジンジンした痺れが10→3と随分軽減していた。
<8回目>前回治療から3週間後
この間下肢足底の痺れとジンジン感が10→3程度で安定しており、日常支障が出るほどではないので略治とした。
<考察>
両下肢足底の痺れといった訴えは、腰部からの末梢神経経路からの成り立ちではないと考えた。病院の画像検査でさほど目立った異常も見られず、鍼灸治療、整骨院、整体、カイロといった治療を受けてこられたわけであるが、最終的には脳からの指令と下肢そのものの局所といった広範囲を、遠絡療法と鍼灸治療を併用しておこなって略治となった症例である。