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当初は耳周囲に痛みがあり、ステロイドや星状神経節ブロックを受け、医師から重度と言われた 顔面神経麻痺症例 49歳 男性
2ヶ月と20日前の夕方耳後が痛くなり救急外来を受診し脳のCTを撮ったが異常は無かった為帰宅させられた。しかし翌日顔と耳周囲に痛みと痺れが出たため再度救急外来を受診し、ベル麻痺の疑いで入院を勧められたが仕事の関係もあり断った。救急外来ではメチコバールを処方され耳鼻科受診を勧められた。翌日耳鼻科を受診し味覚検査、聴力検査、耳小骨検査をしたが異常はなかった。またその一週間後にも顔の電気検査をしたが異常なしと言われた。薬はステロイドの服薬を2週間飲んだが痛みが取れず、耳鼻科の医師からは「これ以上方法は無い」と言われ麻酔科を紹介され、星状神経節ブロックを計6回打った。麻酔科の医師からは「顔面神経麻痺の重度だからハリ治療に行ったら」と勧められたが、耳鼻科の医師からは「何もしない方が良い。以前にも言ったが放っておけば良い病気だ」と言われた。顔面神経麻痺発症から2ヶ月ほど経過して再度電気検査を行ったら今度は「重症だ。脳梗塞の人と同じようだ」と言われた。発症から2ヶ月経過したが症状が悪い状態のままで変化が見られないため他の病院に転院し、そこでの電気検査では1パーセントと言われた。顔の状態が一向に改善されない為当院をネットで調べて来院された。
<初診時>
当院での顔面神経麻痺評価点数8点。顔面神経麻痺発症から3ヶ月近く経過しての8点はかなりの重度と言える。額のシワが動かず目が閉じれない状態で、見た目では鼻以下の歪みが目立つ。治療は鍼治療と遠絡療法をおこなった。
<8回目>顔面神経麻痺発症から4ヶ月、当院初診時から1ヶ月経過
顔面神経麻痺評価点数16点。外見上鼻以下の歪みが大分ましになってきている。当院での治療を開始してから症状が急激に改善方向に動いている。
<16回>顔面神経麻痺発症から5ヶ月。当院初診時から2ヶ月経過。
顔面神経麻痺評価点数20点。20点台に入ってきたので、一見顔面神経麻痺とはわからないまでの状態になった。もちろん顔の表情を作るとわかるが。また顔面神経麻痺の後遺症である瞬き時の共同運動が現れている。
<24回>顔面神経麻痺発症から6ヶ月。当院初診時から3ヶ月経過。
顔面神経麻痺評価点数24点。平常時の顔が4点。軽い閉眼が4点と改善された。
<31回目>顔面神経麻痺発症から7ヶ月。当院初診時から4ヶ月経過。
顔面神経麻痺評価点数26点。瞼を軽く閉じる強く閉じる両方4点に改善したが、共同運動も出ている。
見た目は顔面神経麻痺とは全くわからない状態である。。
<38回目>顔面神経麻痺発症から8ヶ月経過。当院初診から5ヶ月経過。
顔面神経麻痺評価点数28点。患側の上唇と眼下の動きづらさと重さを訴える。顔面神経麻痺での病院受診は随分前から全くしていないとのお話であった。
<45回目>顔面神経麻痺発症から9ヶ月経過。当院初診から6ヶ月経過。
顔面神経麻痺評価点数30点。口を動かして目への連動がウとオで見られる。朝の起床時に患側の上唇が斜め上に上がりぎみの表情になっているとのこと。
<67回目>>顔面神経麻痺発症から12ヶ月経過。当院初診から9ヶ月経過。
顔面神経麻痺評価点数32点。仕事場はもちろん家族からも顔面神経麻痺とは全く判らない状態にまで改善している。ただしご本人が一番気になるのは目と口の連動である。
<その後の経過>
治療間隔は開きつつも後遺症状の進行度合いを見る必要もあり顔面神経麻痺発症から1年半近くまで来院された。
日常の中で食べるとか話すといった所作は頬から目に連動する感じが出ているとのことである。また話すのも普通の声なら問題ないが大きな声で話す時に眼下に違和感を感じるといった後遺症状を感じておられる。この連動状態は治療者が対面し観察してはじめて判るので、家族を含め第3者では判らない。
<考察>
2カ所の病院で顔面神経麻痺の治療を行い改善が見られず、当院に顔面神経麻痺発症から3ヶ月ほど経て受診されたわけだが、ご本人の判断で顔面神経麻痺に対する病院での通院を辞めたことは、随分後から知らされた。顔面神経麻痺も重度になると後遺症による共同運動出現は個人差はあっても避けられない問題である。焦らずに規則的な間隔で鍼灸と遠絡療法治療を受けること。そして連動を意識した表情筋運動と、顔のマッサージを行うことが後遺症に対する最も有効な手段である。例え後遺症状の固定時期が来たとしても、疲労やストレス寒冷等で顔の違和感をより強く感じることがあり、そういった時も鍼灸や遠絡療法を受けると随分状態は軽快する。