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一見顔面神経麻痺とはわかりにくいが、治療の必要な時期に治療間隔が開くなど、略治に時間がかかった顔面神経麻痺 症例 39歳 男性 

2ヶ月ほど前の昼、コンビニで顔がこわばって笑えない状態になった。翌朝知人の紹介で職場近くの耳鼻咽喉科を受診した。口の中にヘルペスがあり、ヘルペスが原因の顔面神経麻痺と言われ服薬での治療を開始した。しかし症状に改善がみられず不安になり当院をネットで調べて来院された。

 

<初診時>

一見正常に見えるほど顔のゆがみはきつくない。しかし観察すると眉毛の高さに差があり下唇が健側に寄っている。軽い閉眼で瞼が2ミリほど開く。口は開けにくく横にも広がらないが、口の中の狭さは感じない。食べ物もさほど偏らず、水も気をつければこぼれない。顔面神経麻痺評価点数は16点。一見良いが発症4ヶ月ほど経つと後遺症が出てくる事は予想される。

 

<5回目>

閉眼可能となる。「とても治療効果があるように感じる」とお話をされる。

 

<7回目>当院初診から1ヶ月経過

顔面神経麻痺評価点数 24点

 

<16回目>

顔面神経麻痺発症から5ヶ月経過。当院初診から3ヶ月が経過。顔面神経麻痺評価点数30点。瞬きで口元が動く共同運動が出ている。

 

<その後の経過>

当院での治療間隔は仕事の都合で1週間に1度の場合もあれば、1ヶ月に1度の場合もある。顔面神経麻痺発症から半年。当院での初診時から4ヶ月目で顔面神経麻痺評価点数は34点となり、顔面神経麻痺発症から8ヶ月。当院初診時から6ヶ月目で顔面神経麻痺評価点数は36点となった。略治の点数である。

その後顔面神経麻痺発症から1年1ヶ月。当院初診時から11ヶ月に至まで月2回から3回の間隔で来院され。これ以上後遺症の進行は無いと判断して。その旨を説明してこの時点で顔面神経麻痺の治療を終了した。
当院初診時から一見軽度に見えるぐらいであったが、治療間隔は開いたにせよ11ヶ月間治療をおこない。とても自然な表情でまったく顔面神経麻痺とはわからなくなった。ただし口笛を吹くような表情で口の中央がややずれる。またウとオで目がやや細くなる。瞬きで口元が少し動くなどの共同運動が見られる。しかしこれは観察してのことであって日常生活で他人がわかる様な状態ではない。

 

 

(考察)

顔面神経麻痺は治療期間の限られた病気である。
仮に不幸にも後遺症が出現するような顔面神経麻痺に自身がなってしまった場合は、この後顔面神経麻痺後遺症と付き合っていく人生を考えていく上で、顔面神経麻痺に対する治療間隔は大切な今後に繋がる要素である。治療すべき時期に週2回の定期的な治療をおこなうことが、顔面神経麻痺後遺症と付き合っていく人生を考えていく上で、顔の歪みや表情の違和、後遺症に対する最大の予防策である。

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