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耳の周囲が痛くなり、顎関節症の疑いでブロック注射をしたが、その後顔面神経麻痺となった症例 30歳 女性
10日前に耳の周囲が急に痛くなった為内科を受診した。医師は顎関節症の疑いでトリガーポイントへブロック注射を行った。
その2日後の昼食時に口から水が漏れ、夕方の洗顔時に目に水が入った。翌日の朝鏡を見て右の眉毛が下がり、笑えない、瞬きができない顔になっていた。前述の内科を受診し顔面神経麻痺と診断された。
内科ではステロイドの服薬と、ウイルス感染症の治療薬で、単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスに使われるアシクロビルと、血流改善のためのアデホスと、痺れを考慮したビタミンB12が処方された。また耳中で音が響くので耳鼻科を受診した。検査では聴力にも鼓膜にも異常は見られず、薬も変わらなかった。発症4日後の顔面神経麻痺評価点数は12点だった。さらなる顔の症状の悪化に不安を感じて当院をネットで調べ受診された。
<初診時>
顔面神経麻痺評価点数は8点。病院での評価点数計測時点では、病気が進行する途中の計測だったので、当院での評価点数の方が点数が低くなった。パニック症状が時々出るとのことで、今回もパニックになりそうで1日に2回安定剤を飲んでいるとのことであった。運転に不安がありご家族に送ってもらい来院された。
鍼灸治療が初めてでもあり、精神的な安定を図ることを考慮して施術をおこなった。週2回の間隔で受けられるようお願いした。
<2回目>
少し食べやすくなった。施術後のしんどさはなかった。肩が少し楽である。
<11回目 施術初診から40日後>
顔面神経麻痺評価点数16点。自分で運転をして来院された。3日前から仕事に復帰した。目が乾くが閉じれるようになり、顔の重さと頬の違和感が無くなった。口の動きや膨らましが少し出来るようになり、麺類が少しだけすすれる。耳の響きも以前ほど感じなくなった。夕方になると気分が沈む。
<19回目 施術初診から2ヶ月と1週間後>
顔面神経麻痺評価点数20点。水もあまりこぼれなくなり、食べ物が口中に溜まって困ることもなくなった。
<30回目 施術初診から4ヶ月後>
顔面神経麻痺評価点数22点。施術は週1回となった。口を開けると眼下が動く。口がやや右よりに寄り、後遺症が出てきている。瞬きの左右差がなくなってきている。顔の表情を作らなければ顔面神経麻痺とはわかりにくい。
<その後の経過>
この患者様はちょうど1年間当院に通院されて中止となった。最終的な顔面神経麻痺評価点数は30点となった。日常の中では顔面神経麻痺とはわかりにくいまでに回復した。
<考察>
この患者様の場合、後遺症が進行し始めた5ヶ月めから、月に3回、7ヶ月目からは月2回の施術となったので、後遺症への対応が難しかった部分があった。顔面神経の再生は、発症1年経過しても続いており、さらに良くなり落ち着いてくると思える。
しかし、共同運動などの後遺症も進行し、慢性化、陳旧化てくるので、顔の運動やマッサージなど日常の注意点と経過観察が必要に思える。