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奇病 ? 自分の動こうとする意思とは反対方向に抵抗と重圧がかかる。 40才 女性

■主訴
「じっとしていても常に重圧と引っ張られる力を感じている」と言う女性が来院された。
「今椅子に座っていても上から押される重圧と、後ろへ引っ張られていて、姿勢を維持するのに力を入れている。」とのお話である。手を前に出そうとすると反対方向に手が後ろへ引っ張られ、歩こうと足を前に出そうとすると反対方向に足が引っ張られ、手を動かすのも歩くのも常に抵抗を受けながら不自由な中で生活をされているとのお話であった。
他に軽いめまいと手足に軽い痺れがある。また強い冷えのぼせがあり、湿気と暑さが特に苦手である。MRI異常(-) XP異常(-)
■現病歴
半年ほど前に眩暈が(めまい)がひどくなり、その頃から上記のような愁訴が現れるようになった。座位もつらく、また姿勢を変えようとしても、それと反対方向に抵抗する力がかかるようになった。内科、耳鼻科、心療内科を受診し検査をしたが原因はわからないと説明された。6年ほど前から鬱状態の為に心療内科にかかっており、心療内科の医師から「薬の副作用かもしれない」と言われ、それまで受けていた筋肉注射や点滴と、抗不安薬や睡眠薬など全ての薬を中止した。それによって徐々に眩暈は軽減してきたが、体への重圧と抵抗はまったく変化が見られず現在生活に極度に支障を来たしている状態である。

■既往歴
交通事故2回  9年前 4年前

■治療
[ 治療 初診]
病気の原因は間脳部にあると考え、遠絡療法と鍼灸治療を併用して治療をおこなった。治療後は上半身の引っ張られる感じが消失し自由に手が動くようになり、あまりの効果にご本人が驚かれた。
[ 治療経過]
計10回治療をおこなった。
治療2回目で眠りが改善され、下肢の重さが改善された。睡眠に関しては高校自分から昼夜逆転した毎日を過ごされてており、午前10時に就寝し午後7時に起床という状況であった。
治療3回目で「膝から下は走れるぐらい楽である」とのお話であった。
治療4回目で「健康になったみたい」とご本人曰く。この間普通の生活が出来ていたようである
治療10回目で略治とした

■考察
交通事故による頚椎からの脳への影響。昼夜逆転生活の体内時計の狂い。自律神経・
内分泌・体温調節の各中枢の狂い。筋力低下による深部感覚低下による位置感覚異常。
これらが奇病とも言える主訴の正体だと考えている。

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