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腹部に空気で硬く張ったような痛みが常に有る  41才 女性

3年前子宮筋腫の手術を腹腔鏡でおこなった。それ以来お腹に空気や便の固まりが有るような張った痛みが出るようになった。特に座る姿勢がつらく、座位姿勢を取ると右脇から右肋骨の下が空気の固まりで圧迫され、我慢すると息苦しさが腰のほうまで伝わって座位姿勢が保てなくなってくる。その空気の固まりのような張った痛みは常にあるが、便が出た後や生理による出血後、放屁で一時的に楽になる。また自身の手でお腹を押さえるとグーッグーッといった音がして空気が移動する。内科を受診して腸が悪いのではと言われたが、X線やエコーなどの検査では異常は見られなかった。内科以外に整骨院や整体や鍼灸院に現在も通院しているがまったく効果が見られない。
その他 座骨神経痛・肩こり・便秘・痔・冷え性がある。
■所見
皮膚色が艶無くくすみ、腹部・背部にシミが多く見られる。お腹は愁訴通り空気による固い張りと左下腹部に宿便が認められる。また腹部圧痛が著明。舌は膨らんで歯型と紫色が見られることからいわゆる瘀血があるようだ。
■診察
[ 初診 ]
治療は鍼灸治療と遠絡療法とをおこなった。1回目の治療直後はお腹の状態がスッキリしたようだとのお話であった。座位姿勢も楽に座れている。
[ 3回目]
座位姿勢による、腹部の圧迫が楽になり座位姿勢が保てるようになった。
[ その後の経過 ]
右下腹部の生理直前だが前月の痛みと比べて生理痛が随分と軽いとのお話であった。
[ 8回目 ]
生理になったが、前月同様に痛みは軽い。先月は生理時に授業に行くことへ不安があったが行くことが出来た。今月は登校しているとの事であった。
[ 8回目以後 ]
週2回の頻度で治療を続けた。生理痛は軽快した状態で安定しており急性的な時期は過ぎた。
[ 21回目 ]
上腹部(心窩部)の苦しさ消失。下腹部の訴えも消失。空気で硬く張ったようなお腹の痛みは解消された。
「3ヶ月前の自分の体調から見て、こんな日が来るとは思わなかった」と治療後笑顔でお話をされた。治療させていただいた側としても、心から「良かった」と思えた瞬間である。
■考察
内科、婦人科系統の疾患である。東洋医学的には気滞、瘀血を中心にした愁訴である。
西洋医学的な血液検査や腹部エコー等では病気と言う範疇には入らないだろう。西洋医学の苦手な疾患と思える。東洋医学的に見れば当然病気であり、体質的な改善の必要な疾患である。

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