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座骨神経痛、ソケイ部痛、大腿部痛  50才 女性

2年ほど前から常時臀部にだるさが有り、腰骨(こしぼね)前面部からソケイ部にかけてと大腿前面部に痛みがある。和裁で座位姿勢を長時間とる事が多く、立つ時に顕著に痛みが現れる。また足を上に挙げにくい。整形外科を受診してのレントゲンでは腰椎の椎間狭小を言われたが、股関節に問題は見られなかった。整形外科では筋肉を和らげる薬と湿布をもらっている。他にあんまマッサージ治療にも行っている。しかし症状はひどくなってきている。

■診察

[ 初診 ]

触診では、臀部の側面(股関節外側から腰骨の高さまで)と大腿部前面からいわゆる上前腸骨棘辺りの筋肉が異様に硬い。次にソケイ部と大腿直筋部の堅さへと続いている。下腿前面にも痛みがあり、臀部の座骨神経経路上に圧痛もあることから、筋肉のしこりによる痛みと、座骨神経痛の混在が見られた。治療は鍼灸治療をおこなった。治療後愁訴は10→5に半減した。

[ 6回目 ]

ソケイ部の痛みも座骨神経痛も10→2程度で落ち着いており、膝関節痛の訴えられるのでその治療をおこなった。

[ 9回目 ]

長時間のバス旅行をしてまた臀部とソケイ部が痛いとの訴えがあった。治療後VAS10→2

[ 11回目 ]

日常で愁訴の悪化も見られず、略治とした。

[ 考察 ]

ソケイ部痛の訴えの場合、腰椎からの神経痛の関与と股関節および臀部の筋肉と関連している場合がある。この症例はその典型である。一見筋肉のしこりを取るのにマッサージが良さそうに思えるが、マッサージは神経痛の悪化要因に繋がることがある。大切なことはまず病態を把握すことであり、治療の手技は選択肢の一つに過ぎない。

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