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腰椎圧迫骨折後の痛みがとれない  77才 女性

2ヶ月ほど前に路上で転倒し、腰とお尻と足の拇指を打撲し総合病院の整形外科にかかった。整形外科のレントゲン検査では異常が見られなかったため、ギックリ腰と言われて電気治療やシップなどの治療を受けた。しかし痛みがさらにひどくなってきて寝返りや立ち上がることもできなくなったために、再度整形外科を受診しX-P(レントゲン)撮影をしたところ、腰椎の圧迫骨折があると診断された。あまりに痛いのでペインクリニックの専門医を受診し、ブロック注射を数回受け鎮痛薬を服薬した。しかし服薬しはじめてから肝数値が上がり食欲が低下してきたため、鎮痛座薬に切り替えた。それでも痛みは全く変わらない状態で2ヶ月が経過した。4年ほど前にも圧迫骨折の既往があり、その時はこの地方でも有名な鍼灸院へ通院したが全く効果が無かったとのことであった。今回はネットで当院を知り来院された。
■所見
歩行は苦痛な表情で、壁や手すりなどを支えにしてなんとか歩けるという状態である。
■診察
[ 初診 ]
叩打痛は腰椎1番あたりを中心にあるが、発症から2ヶ月も経過しており発症間もない新鮮例に診られるような敏感さはない。圧痛は脊柱のやや右側が強い。
治療は鍼灸治療のみをおこなった。治療後の直後効果が顕著にみられた。
横臥位から起き上がりがスッと起き上がることができた。また治療前に座位の姿勢が苦痛で保てなかったのが平気である。歩行も物につかまらなくてもバランスよく歩ける。患者様ご本人も驚かれたようだ。
[ その後の経過 ]
1週間間隔で現在まで5回の治療をし、今は自身で運転して来院されるようになり、趣味のサークルに出席しても苦痛無く参加できるようになっておられる。歩行姿勢も背筋がピンと伸びて違和感は見られないまでに回復されている。
■考察
レントゲンからも腰椎の圧迫骨折という原因のハッキリした症例であるが、当院初診時でさえ発症から2ヶ月が経過しており、圧迫骨折そのものは固まってきているものと想像できる。
東洋医学では「不通即痛、通即不痛」という有名な格言があるが、この症例の痛みはまさに格言どおり。気血の流れが骨折箇所で通じなくなって生じている痛みと考えられた。
来院された患者様のブロック注射や筋肉注射跡の場所を診ると、気血の流れが通じるような箇所におこなっているわけではない。これでは痛みが改善されなかったのは当然であろう。

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