噛む時に力が入らず顎関節部がズキッと痛む　７3歳　男性

１ヶ月ほど前から食事の時に噛む力が入らなくなり、噛むとズキッと顎関節部に痛みが走るようになった。歯医者に行くと歯のかみ合わせに問題があると言われ歯を削られた。しかし顎関節の痛みは変わらなかった。もう一件歯医者に行ったが同じように歯を削って調整をしたが顎関節の痛みは変わらなかった為大学病院を受診した。顎関節以外に脳と心臓のMRIまで撮ったが異常は無いとのことで、現在は消炎鎮痛剤のみ服用している。
■診察
[ 初診 ]
項頚部、側頚部から肩、上肢の筋緊張がきつく、脈の状態も疲労と交感神経緊張が合わさったような脈である。治療は鍼灸治療と遠絡療法とを併用した。治療後は顎も首、肩も軽いとのお話であった。
[ ２回目]
４日後来院されたが、「昨日までの３日間は顎関節痛は大変調子が良かった。今日になって少し痛みを感じ始めたがその痛みも前のような痛みとは違う」とのお話であった。
[ ３回目]
食事をしても顎関節に痛みが無く噛めるようになった。ご本人は「歯医者でも大学病院でもまったく効果が無かったのに」と大変喜ばれた。
■考察
顎関節症を局所だけの症状とは考えず、疲労や自律神経の調整を含めて治療をおこなった。局所の病は人体の病、と診る東洋医学の診断法の大切さを現す症例である。