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膝から足の甲にかけての下腿前面部の痺れと痛み 62歳 男性

8ヶ月ほど前に右足が痛くなり整骨院に行って良くなった。その3ヶ月後に再度右足が痛くなり整骨院に行って治療したが今度はまったく効果が見られなかった。さらに同部位に痺れが出てきたので不安になり病院の整形外科を受診した。そこで神経根ブロック注射を受けて痛みは取れた。しかし痺れはまったく取れなかった。痛みが無くなったのでジムに行き始めたが、1ヶ月ほど前から再度右足の痛みと痺れが悪化しはじめた為病院整形外科を受診した。神経根ブロックを再度受けたが今度は症状の改善が見られなかった。そして20日ほど前右足に激しい痛みを経験し、それ以後右足に力が入らなくなり歩行障害が出現するようになった。13年前に腰椎ヘルニア手術の既往歴がある。

■所見
歩行はビッコをひいている。足に力が入らず爪先立ちができない。右臀部に圧痛がある。右足膝以下の前面部から足の甲にかけて麻痺感覚に近い痺れがある。

■診察
[ 初診 ]
遠絡療法と鍼灸治療を併用して治療をおこなった。腰椎の変形があり治療目標部位を邪魔しているため治療直後の効果が予想よりも低い。

[ 2回目 ]
治療目標部位のみを重点的に治療した。治療直後に痛みは半減した。

[3回目 ]
治療後痛みはVAS値10→2に、痺れの方は足前面部の麻痺感が強かったが痺れ感に変化した。

[ 4回目 ]
臀部、足共に痛みは消失した。まだ足に力が入りにくく足を引きずる感じがある。
[ 5回目 ]
足、臀部共に痛みは無くなった。「だいぶ良くなった」とのお話である。足の裏にあった痺れは消失。膝以下の足の痺れは薄れた上に痺れの範囲が足の甲小指よりの先端のみに狭まった。。爪先立ちができるようになった。
[ 6回目 ]
足に力が入り普通に歩けるようになった  略治とした。

■考察
腰痛、坐骨神経痛ともに日々見られる非常に治療効果の高い陳腐な症例である。これら全てを症例で出すわけにもいかず、したがって最近は症例としても掲載をしていない。ヘルニアや脊柱管狭窄やすべり症、骨折など様々な病名に伴う慢性的な痛みや痺れで、西洋医学によるブロック注射や鎮痛薬を服用されている方。痺れに良いとされるビタミンB12や骨を強くするビタミンDやカルシウムなどを服用されておられる患者様。整骨院や整体、マッサージに通っておられる方等々。腰痛や足の痛みや痺れで悩む方は数多おられる。
やはり患者様お一人お一人のお話しを良く聞いた上で病態を絞り込み、治療者自身で触って自身の診断が正しいか確かめる。そして絞り込んだ結論に対して治療時間全てをその治療に集中すること。
これに尽きるようです。

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