不安になって来院された腰痛　（ぎっくり腰）２５歳　女性

2週間ほど前から腰に違和感が出るようになっていたが、徐々に症状がひどくなってきて腰から背中・肩甲骨あたりまで痛みがでるようになってきた。今までに軽い腰痛の経験はあるが、今回は症状がさらに悪化して、日常動作が不自由になってきたことから不安になって来院された。

■所見
寝返り、前屈、歩行ともに慎重に行えば可能である。座位姿勢の保持が特につらい。腰の筋（腸肋筋・最長筋と言った脊柱起立筋）の緊張がある。また腰椎５番の椎間関節部にも痛みがある。さらに胸椎８番あたりにも過敏な圧痛がある。安静時の疼きは無いが仰臥姿勢が長いと腰痛を感ずる。腰椎の痛みをこらえることで起立筋緊張など他へ痛みが波及しているようである。

■診察
[ 初診 ]
側臥位で鍼灸治療のみをおこなった。治療直後患者も驚くほどに愁訴は殆ど消失した。風呂、飲酒、冷えなどの一般的な注意点を伝えて略治とした。

■考察
筋性や椎間性などの急性腰痛の場合は、３回も治療すれば良くなる例が大半である。問題は今後に同様のぎっくり腰とならないための、姿勢や冷え、疲労、食生活などの自己管理と、未病を治すと言う東洋医学本来の、普段からの鍼灸治療受診が大切である。