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腰痛・臀部痛・股関節痛の為に前屈でしか歩けない椎間板ヘルニア症例 30歳 女性
思い当たる原因もなく1ヶ月ほど前から、腰から臀部・股関節前面部にかけて痛みが出るようになった。やがて腰をまっすぐ伸ばして立てない状態となり、歩行も前屈みでないと歩けず、足を伸ばして寝る事ができなくなった。また起床時の腰痛と臀部痛もつらく、仕事で使用する車の運転と車の乗り降りがとてもつらい。その為整形外科を受診しMRIなどの検査を行い腰椎の椎間板ヘルニアと診断された。整形外科で治療を受けていたが症状が良くならないので整骨院にも通った。しかし効果はまったく見られなかった。
■診察
[ 初診 ]
腰椎下部から仙骨上部に痛みの中心があり、脊柱起立筋は肩甲骨の高さあたりまで筋緊張が甚だしい状態である。SLRは患側20度でヘルニアの診断を頷かせる。しかし下肢の膝以下への坐骨神経に沿った痛みや痺れ、知覚鈍磨や筋力低下などの訴えは無い。立位姿勢は腰が曲がり、歩行も前屈姿勢になっているにも関わらずかなり無理をして仕事に行かれているらしい。営業で長時間運転されるということだが、20分間運転すると腰痛臀部痛が限界となる。鍼灸治療は初めてである。
1回目の治療後は愁訴が軽減し、腰が伸ばせるとのお話であった。お仕事で無理をされており筋の疲労と筋肉痛もADLをさげている一因と思えた。
[ その後の経過 ]
当院7回目の治療時の問診で、「朝方は腰が伸びていても仕事を終える夕方は腰が伸びなくなっていたが、夕方になっても腰がまっすぐに伸びている。朝の起床時の腰痛、臀部痛がない 足を伸ばして寝る事が出来る」とのお話があった。車の連続運転時間も症状軽減の目安となった。当初20分間の連続運転が限界だったが9回目で1時間の運転が可能になっている。そして12回目の治療で長時間運転しても痛みが出なくなった。また最近の1週間は日常生活を送る中で腰痛・臀部痛の症状は出ていないとのお話だったので、一旦略治として様子を見ることにした。ただしSLRは45度位なので例え日常で困らなくても腰椎の椎間板ヘルニアそのものが完治している訳ではない。日常生活を送る上で腰と臀部へ負担をかける動作は動きを意識するようにお願いした。
■考察
MRIの検査から腰椎椎間板ヘルニアと診断されたわけだが、下肢への症状は股関節から大腿部前面に少し痛みがある程度で、所謂神経根症状は出ていない。真正の腰椎椎間板ヘルニアの要素よりも、椎間板ヘルニアの気質的な土台の上に、仕事上の無理によって養生が出来ないままに腰背部の筋肉痛と椎間関節性の腰痛・臀部痛をひきずっていると考えられた。