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スポーツ障害によって繰り返される膝関節痛と仕事に起因した坐骨神経痛 49歳女性

週2回のママさんバレー大会出場練習と、各地で行なわれている様々なマラソン大会に出場する為に、毎日ランニングを続けておられるという患者様が来院された。この方は水を使った立ち仕事と重い荷を配達するという、仕事上も体力のいるお仕事をされている。初診時の主訴は左の腰から臀部にかけての電流の走ったような激痛であったが、その後はバレーボール練習後やマラソン大会出場後に膝関節の激痛を訴えて来院されることもしばしばみられるようになった。腰からお尻にかけての痛みは水や冷蔵庫を使った腰への長年の負担が原因を作っているようだ。しかし膝関節の激痛は必ずマラソンやバレーボールの直後に発生している。
膝関節痛に関しては、整形外科で両膝全体の変形と共に半月板が損傷されていることと、軟骨のすりへりが強度との指摘をされている。

■診察
[ 初診 ]
腰から臀部および大腿部の外側にかけて電流の走ったような痛みを訴えておられる。腰にはだるさもあり、安静時痛(+) 前屈痛(+++) 後屈痛(++)  10日前からこの状態が続いており整形外科を受診されている。病名は椎間板ヘルニアとのことであった。
しかしSLRは(-)で両足とも70度以上挙上が出来たため、今回の激痛は椎間板ヘルニアを起因としたものでは無いと判断した。治療は鍼灸治療と遠絡療法をおこなった。治療直後VAS10から3へと改善された。

[ 4回目 ]
2日間隔で治療を続け、腰臀部から大腿部外側にかけての痛みとだるさの主訴はほぼ消失したため一旦略治とした。

[ 5回目 ]
10日後、今度は左膝関節の激痛を訴えて来院された。10キロ程度のランニングの後に出現したとの事であった。この時は膝関節の外側痛の訴えであった。

[ 7回目 ]
前回治療直後に20キロ走り、前回治療1週間後にフルマラソンに出場した。完走はしたが40キロ時点から痛みが激しくなり歩いてゴールしたとのお話であった。

[ 14回目 ]
この間は週1回の定期的な治療と、痛めた時に行なう治療をおこなってきた。私の判断で無茶に思える状態でもご本人は参加したいのだ。メンテナンス上の諸注意の指導もさせていただいている。今回の訴えはバレーボール練習時に起きたもので、それまで膝関節の外側の訴えであったものが、膝関節の内側の激痛を訴えて来院された。治療後主訴は軽快したが、変形性膝関症の病名と、半月版損傷と軟骨の磨り減りが器質的にある。患側を軸足にして関節をひねる動作などちょっとした事で痛みが出やすいと思われる。

■考察
スポーツとの関わりはプロから趣味程度という人まで様々である。しかしどんな関わりかたであろうとも人生の一部であることに違いない。マラソンを続けることはとても素晴らしいことであり、バレーボールチームの仲間とのやりとりは勝つことだけではなくてきっと楽しいことがたくさんあるに違いない。スポーツをする上で最も問題なのはスポーツ障害になって続けることが出来なくなることである。体を壊してまで続けることや、疲労を貯めたままで続けたり、準備運動や整理体操をしないなどで、自らがスポーツを続けることの出来ない体作りを行なっていくことである。また仕事と体を壊すこととの関係も避けられない問題である。

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