自動車の任意保険会社から頼まれた交通事故難治症例（頭痛）44歳　女性

■現病歴
8ヶ月前、自身で運転中、目前に左折車が飛び出して急ブレーキを踏んだ所へ、後方からの車が玉突き衝突し救急車で病院に運ばれた。以後病院を数箇所転院し治療を受けたが症状はまったく良くならず、さらに悪化傾向にある為、低髄液圧症の疑いで大学病院に入院し治療を受けた。しかし症状はまったく改善されなかった。この間病院以外にも整骨院で治療を受け続けてきたがやはりまったく効果が見られなかった。その為珍しいことではあるが交通事故保険担当者からの依頼によって鍼灸治療を開始することとなった。

■診察
[ 初診時の症状 ]
頭痛と頭重がひどくほとんど家で寝ている。立って２０分ぐらいすると頭痛に加えて気分が悪くなり嘔吐しそうな状態になる。鎮痛薬がまったく効果がみられない。今も後頭部と後頚部がズキズキと疼くように痛んでいる。首、肩、肩甲骨周囲。背中、腰が痛くて寝ている姿勢がつらい。耳鳴りがしている。眠れないので睡眠剤服薬。天候による症状悪化は始終つらいのでわからない。

[ 12回目 ]
症状に変化が出てきた。それまでは毎日が変わらず、ずーっと悪い状態だったが、良い日と悪い日、良い状態と悪い状態がわかるようになった。

[ 16回目 ]
頭痛や頭重感、背部痛など有るものの今までに比べて調子が良い。家でも調子が悪くて寝ている時間が減ってきた。

[ 40回目 ]
天候の影響による症状変化があり、１日の中でも症状変化があり、家事が出来るようになってきた。「鍼灸治療を行なう前と比べて格段に良い」とのことであった。

[ 81回目 ]
事故後１年以上ぶりに犬を散歩に連れて行くことができた。