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耳鳴り 突発性難聴後の耳鳴りと、詰まった感じ 57歳 女性
2ヶ月前に突発性難聴になった。すぐに耳鼻咽喉科を受診し服薬治療をおこなった。発症後2ヶ月経った現在も耳鼻咽喉科に通院中だが、耳鳴りはピーク時の10→8に、難聴もピーク時の10→8にとさほど改善されていない。またエコーがかかったような反響音がある。電話の声がとても聞き取りが難しい。耳中が詰まった感じがある。これらの症状は一日中ある。こういった訴えで来院された。
来院時に聴力検査データと服薬中の詳細表を持参されたので、それによると高音が聞き取りづらい中等度の難聴のようである。現在服薬している薬は血液循環を良くする2種類の薬と、ビタミンB12と五令散という漢方薬である。耳鳴りの音はキーンといった金属音が主のようだ。MRIも異常は見られなかったとのお話であった。
■診察
[ 初診]
治療は鍼灸治療と遠絡療法とを併用した。耳鳴りの中には大変に難治性のものもあることから、だらだらとした治療をせず週2回の治療間隔で5回を1クールとして変化を確認し、変化しているようならさらに1クールといった区切りをつけた治療をしていく旨の説明をした。
[ 2回目 ]
今まで一番気になったキーンという金属音の耳鳴りが半減した。電話の受話器での音がワンワンと鳴り響いて聞きずらかったのがとても聞きやすくなった。耳の詰まった感じも半減している。
[ 3回目 ]
キーンという金属音の耳鳴りは消失した。ジーという低い音はしている。今まで患側の耳に受話器をあてるとワンワンというエコーのかかった共鳴音でとても聞きずらかったっが、この間意識無く患側で受話器を聞いていた。耳鳴りはVASで10→5になっている。電話が普通に聞けるようになっている。また耳の詰まった感じが消失した。た。
[ 5回目 ]
耳鳴りはVASで10→3に軽快している。反響音と耳のつまりは消失した。
5回目の治療が終わって、患者様が「5回の治療のつもりで通ったので、今日で治療は終了したい」との申し出があった。治療者としては難治性の耳鳴りの可能性を考慮して5回までに変化が無ければ難しいという意味合いであったが、短期間の治療でここまで変化があったので、患者の事情もあるかと思い略治とした。
■備考
耳鳴りは自覚による尺度が基準であり、患者が耳鳴りが小さくなったとか電話が聞き取りやすいとか、自覚によるVAS値を効果判定にしている。難聴の場合は鍼灸治療により患者が随分聞き取りやすくなったと自覚しても、オージオグラム(聴力測定)では患者が自覚するほどの改善値が現れないことが多い。しかし患者の自覚こそが改善の証と言える。人間の全体像を計れない機械の数値はあくまで部分を表しているにすぎないこと考慮すべきだ。