年間数回、目の前がぐるぐる回る眩暈（めまい）が出現　　 １７歳女性

５日前学校で本を読んでいて目の前が真っ白になり帰宅。翌日から眩暈（めまい）となった。起床時には天井がまわり、動作時には目の前の人や物がグルグルまわる状態のため心配になり市立病院の脳神経外科を受診し脳のCTを撮った。しかし脳には異常がないと言われた。今まで年に数回の割合で眩暈（めまい）を繰り返しており母親に付き添われて来院した。母親は肩こりの治療をすれば眩暈が軽くなるのではと考えてマッサージや按摩に連れて行ったが、眩暈には効果が見られず、本人も「肩は凝っていない」といってマッサージを嫌がった為、相談した知人に紹介されて来院された。

■初診時の所見
少し体を動かしたり、体の向きを変える動作や頭を動かすと眩暈（めまい）が起こった。
血圧94/60 肩と首の凝りは確かに有るが本人の自覚は無い。
初診時の治療は遠絡療法のみを行なった。

■診察
[ 初診 ]
２箇所の治療点にそれぞれ１分ほど刺激を行なった後に体を動かしてもらった。眩暈（めまい）は無くなっていた。しばらくの間本人も母親も何が起きたかわからないような状態であったが、再度眩暈の状態を確認したところ、やはり眩暈（めまい）はほとんど感じないとのことであった。

[ ２回目 ]
眩暈（めまい）は初診時の治療以来起こらなくなっていた。しかし「何かフワフワとした感じがある」とのことなので、前回同様の治療をおこなった。

[ ３回目 ]
起床時ににも天井は回らない。目の前の人や物もまったく正常である。ただし座位から立ち上がったときに一瞬立ちくらみのようになるので自律神経失調への治療を加えた。

[ ４回目 ]
立ち上がり時の立ちくらみも正常になっていた。。

[ ５回目 ]
症状は安定しており、眩暈（めまい）症状は略治とした。

■考察
眩暈（めまい）で悩む患者様は大変多い。そのため眩暈（めまい）専門の外来さえある。
西洋医学的には耳内の平衡覚か場合によっては脳のMRIなどの検査をおこなう。しかしなかなかすっきりと治ることは稀である。これは眩暈（めまい）に対する病態の捉え方に問題があるように思える。人体はバランスによって立つことができる。脳のMRIや内耳といった局所で捉えると治り難い場合が多い。