パニック障害　５９歳女性

３０年程前に次男の病気治療目的で東京に住まいを借りた頃から、鬱症や自律神経失調状態に悩まされるようになった。数年前からはパニック障害と言われ、急に不安感に襲われ動悸や呼吸困難などが現れるようになった。いくつもの病院や個人の心療内科等に通院しているが、開放される方向に向かった事など一度も無いとのお話であった。

■所見
声が小さい。日常のちょっとした事がきっかけで気になりだすと、体が重苦しくなり、家事などまったく出来ない。昨日主人の車に乗車中、車が前に進むことに急に不安を覚え、呼吸困難と動悸が激しくなって引き返してもらった。睡眠は安定剤を服用しないと眠れない。当院での治療は以前から知人に勧められていたとの事であった。

■診察
[ 初診 ]
鍼灸治療が初めてである。遠絡療法と鍼灸治療を併用しておこなった。

[ ２回目 ]
前回治療した日は少し体がだるかった。しかしその日は安定剤は飲んだものの普段以上によく眠れた。翌日も気分が良く、「こんなに体が軽く感じられるのは数年ぶり」とのお話であった。

[ ３回目 ]
調子が良いとの事であったので、少し治療間隔を開けても定期的に来院されるようにお話をした。

■考察
治療に際しては出来るだけゆっくりとお話が聞けるように設定した。パニック障害の治療ケースでは１，２回の治療でつらい状態から開放されるケースが多い。この方は定期的に来院されるよりも、調子が悪くなると治療にお出でになるといった形で、今日まで来院され