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鬱症による強度の不眠と腹部膨満感 66歳 女性

「昨日は一睡も出来なかった」と不眠を主訴にした痩身の女性が来院された。30年ほど前から慢性膵炎と言われており、1年ほど前にお腹の調子を大きく崩してから「生きていても仕方が無い」と思うような鬱状態と強い不眠になった。それ以後心療内科にかかっているが薬が体に合わず、服薬すると食欲不振や舌に痛みが出るとの事である。薬はトレドミンやノリトレンなどの抗鬱剤と、レンドルミンやロヒプノールといった睡眠導入剤が処方されている。しかし薬を飲んでもやる気や興味がまったくわかず眠れない。「何とか楽になりたいと祈るような気持ちで来院した」とお話をされた。

■診察
[ 経過 ]
ご主人の介護をしつつ、疲労、ストレス、不眠、食欲不振、鬱に悩まされながらの5ヶ月にわたる通院治療となった。肉体的にも精神的にもとても過敏に反応をする為治療には細心の注意と根気を必要とした。
当初は不眠症状も一進一退だったが、ご主人の突然の逝去を境に好転し4ヶ月の治療で不眠は改善された。
しかしその頃から腹部膨満感を訴えるようになり、その症状も約1ヶ月を要して放屁やゲップといった形で軽快するようになった。
不眠を中心に治療を組み立ててきたこともあり、鬱症状については、今回は明確な尺度で治療をおこなってこなかった。しかし当初は生きる気力の消失を訴えられ、当院への通院も人に連れてきてもらっていたが、5ヵ月後に自身で車を運転して来院されたことをもって、今回の治療は一旦終了させてもらうこととした。

[ 考察]
患者も治療者も根気と忍耐を要する症例となった。
鍼灸治療に対して過敏過ぎるような反応を示し、治療後に良い状態が続くかと思っても長続きせず、前回治療したツボややり方と違う点など毎回指摘されながらの根気を要する治療となった。30年以上臨床を行ってきたが、大変勉強になった症例である。

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