自律神経失調症・不安感・まっすぐ歩けない　７０歳　女性

■現病例
半年ほど前から落ち着きがなくなり不安感に襲われるようになった。誰か人が家に入ってきているように感じたり、雲の上を歩いているように不安定な歩行になり、外出ができない状態になった。炊事や掃除など家事がまったく出来ない。主人に「自律神経失調症ではないか」と言われ内科で診療を受けたところ、やはり自律神経失調症と診断された。現在は心療内科を受診されている。

■診察
[ 初診時 ]
ロレツがまわらず言葉が聞き取り難い。だまっているのが不安なように一人しゃべり続けて相手の話が聞けない状態である。目の焦点もハッキリしていない。
訴えは、「ふらつく」「身の置所がない」「苦しい」「死にそうにつらい」「眠れない」「頭がハッキリしない」と言ったものである。
血圧１２４/８２　脈が速い　治療室の廊下を歩いてもらったがまっすぐに歩けない。雲の上を
歩いているような感じがするとのことである。
治療は鍼灸治療と遠絡療法を併用し、隔日に治療をすることとしした。

[ 5回目 ]
口数が随分と少なくなり、表情と言葉に落ち着きが出てきた。

[ 36回目 ]
自転車に乗って当院へ通院出来るまでに回復し、買い物も家事も不自由なく出来る。睡眠もよくとれるとの事なので略治と判断した。

■備考
自律神経失調症、鬱症、パニック障害、統合失調症など脳が直接コントロールしている症状に対して、鍼灸治療、遠絡療法ともに大変に効果が高いことを臨床の中で経験してきた。他の症例も掲載したいと考えています。