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前胸部から腹部にかけて、2分間隔で起きる帯状疱疹後神経痛(PHN)治療のために転院を重ねる 50歳 女性

3ヶ月前に前胸部から腹部にかけての痛みが出現。発疹が出た為皮膚科を受診し4日間点滴をした。しかし痛みが甚だしい為他の病院に入院し抗ウィルスと鎮痛の点滴を8日間受けた。それでも痛みは全く変わらなかった。その為さらにペインクリニックを受診し、硬膜外ブロックを4回受け抗ウツ剤による治療を行った。しかしそれでも痛みに変化がまったく見られなかった。当院へはネットで検索して来院された。

■診察
[ 初診 ]
帯状疱疹後神経痛の場所は右胸椎7番から12番のデルマトームにある。背部は麻痺感覚と触覚異常があり、前胸部から腹部にかけては2分程度の間隔で30秒間ほど発作痛が起き、発作の度に胸をグッと押さえて痛みをこらえている。皮膚表面を軽く触れるとピリピリとした痛みがあるが、グッと押さえると痛みは軽減する。いつも痛みが有ってイライラと怒りっぽくなっており家族にあたることが多くなったとのお話である。既往歴として子宮卵巣全摘手術を24年前に行っている。治療は遠絡療法をおこなった。治療開始直後からすぐに発作痛が起きなくなり、治療後も痛みをほとんど感じないとのことであった。

[ 2回目 ]
初診時より10日後に来院。前回治療以前は帯状疱疹後神経痛による発作痛が2分程度の間隔で起こっていたが、前回の治療以後は発作痛が一日に数回と激減している。また発作の強度もそれまで発作が起きると30秒ほど差し込むような痛みが続くために、胸をグッと押さえて発作が過ぎるのを我慢したが、前回の治療以後は軽い痛みが瞬間に来る程度にまで変化している。

[ 4回目 ]
緊張すると痛みを感じるがそれ以外には痛みを感じなくなった。日常生活に支障の出るような痛みは無くなったため。今回は交感神経の緊張を緩めるような治療をおこない、帯状疱疹後神経痛の方は一旦略治として経過を見ていただくことにした。

■考察
今回の症例でも帯状疱疹後神経痛(PHN)に対して、西洋医学的な鎮痛治療を整形外科、ペインクリニックなど転院を繰り返しておこなったが効果はみられなかった。鎮痛と言った場合の西洋医学の一般的な考えでは、帯状疱疹後神経痛のように神経が破壊され弱っているものに対しての効果はほとんど見られない。虚実補潟という東洋医学の発想は普遍的な原理と言えそうだ。

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