診療時間(完全予約制)
休診日(日曜・祝日)
診療時間
8:30~12:30
13:30~20:30 -

TEL 086-270-0188

〒703-8275

岡山県岡山市中区門田屋敷1丁目
9-29(菱和パレス一階)

左足を少し着地させるだけで鋭い痛みが出るため、松葉杖生活になっているCRPS(複合性局所疼痛症候群)症例 44歳 女性

4ヶ月前に庭のネットに足を引っかけ転倒し、整形外科にて足首の捻挫と診断された。足首を曲げたり、踵が着地すると痛みが甚だしい為、他の病院を受診してMRI検査で足の距骨と靱帯の損傷と診断されギプス固定をされた。それでも痛みが変わらない為他の病院を受診すると、「腫れは引いているから歩けば治る」と言われたが、歩こうにも痛みで着地が出来ない為、さらに別の病院を受診して、そこでCRPSと診断された。そこの病院では鎮痛注射に点滴、足のマッサージと、低周波治療、メドマーによる下肢の圧迫をして、とにかく動かすように指導されているが、3ヶ月経った今も症状は一向に変わらないため「このまま治らないのでは」という不安と落ち込んだ気分の状態で当院を受診された。
■診察
[ 初診 ]
両脇に松葉杖を着いて移動をされている。左足局所を観察すると、足首から先の足甲、足背、足の指まで色がどす黒くテカテカと光って全体に大きく浮腫んでいる。着地時の痛みは内踝から踵にかけてが主である。軽い触診での痛みは無く、安静時の疼きも無い。しかし着地や局所が物に当たったりすると痛みが響く状態である。治療は針灸治療と遠絡療法をおこなった。治療後に腫れと浮腫が視診と触診で少し軽減していた。

[ 2回目 ]
足のどす黒さと、浮腫及び張った感じが前回よりも軽減している。

[ 3回目 ]
患者本人も痛みや浮腫が調子よいと感じていたところに再度転倒してしまい、足の外踝を痛めてしまった。それからはまた痛みがぶりかえし、患側の足を挙げると踵にゾクゾクした感じが出るようになった。

[ 4回目 ]
転倒の影響は前回治療後に鎮まった。浮腫はまだあるが、骨の輪郭が触れるほどに減っている。赤黒かった皮膚も左右同じような色になった。

[ 7回目 ]
着地がしっかりと着けるようになり、台所作業が楽になってきた。立っていると足首から先が赤くなるが、以前のようにどす黒い色にはならない。1本の松葉杖で歩けるようになった。

[ 10回目 ]
手に持つ小さな杖で来院。鎮痛薬を飲むと杖無しで歩ける。

[ 12回目 ]
鎮痛薬を飲まなくなくなり、家の中は杖無しで歩いている。

[ 14回目 ]
当院初診から2ヶ月が経過した。痛みは10→1となり、杖なしで外出している。
病院に受診するともう来なくても良いと言われた。
略治とした。

■考察
CRPSと診断された症例である。初診時の2本の松葉杖で来院された時は、どこの病院に行っても治らないと、将来的に症状を悲観されていたが、鍼灸治療を開始してから予想した以上に速いペースで症状の軽快が見られた症例である。患部がどす黒く大きく腫れているものの、触診や圧診が可能だったことから、患部局所への治療に支障が無かったことが早い治癒へとつながったものと考えられる。

最近の症例