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94歳で三叉神経痛に苦しめられている症例 94歳 女性
10年ほど前から顔の右側に三叉神経痛が発症し、症状が激しいため6年前の88歳でガンマーナイフによる治療を受けた。治療後2年間ほど三叉神経痛による痛みは軽減していたが、しかしそれ以後はもとの状態に戻ってしまった。ご本人はご高齢でもあり、話もあまりなさらない為意思の疎通が難しい場合がある。またご自身が意識して積極的な行動をされることはあまり見られない。、現在はテグレトールの服薬と鍼灸治療を受けているが効果はまったくみられていない。発作痛は数分ごとにあって痛みをこらえる表情をされることで、ご家族が痛みの状態を確認されている。特に食事時は痛みをこらえながら食事をされる為に1時間ほどかかると言うお話であった。
■診察
[ 初診 ]
数分ごとに痛む表情をされるので、その表情と痛む場所の確認をしてみると、三叉神経第2枝のようである。治療はご高齢なので刺激が過剰にならないように心掛けて、遠絡療法とお灸による治療をおこなった。そして自宅でお灸をしてもらうようにお願いをし、ツボに印をつけて第1回目の治療を終えた。
[ 経過 ]
2回目は2週間後に来院された。この間痛みは激減しているようである。食事時に2回か3回痛い顔をするが食事に時間もかからなくなり、食欲と食事の量ともに出てきた。また数分ごとに見られた痛む表情が見られなくなった。さらには周囲に関心が出てきたようで、ここ数年見られなかったような鍋の蓋を開けたり、エプロンを自分で脱いだりする行動が見られるようになった。
3回目2週間の間隔を開けて来院。この間痛みはほぼ止まっていた。ご家族の方から食事の後片付けを自分で行っているとのお話を聞いた。自宅での灸の位置を修正し、痛みが鎮静しているので、1ヶ月後に来院していただく事とした。
■備考
日々を平安に暮らしたい94歳というご高齢で、激痛の代表格である三叉神経痛に苦しめられるのはあまりにもお気の毒である。幸いな事にテグレトールでも一般的な鍼灸治療でも効果が見られなかった三叉神経痛の痛みが3回の治療で消失している。さらにはご高齢により周囲に対する関心や積極的な行動が希薄になっていた部分が改善されている。これは三叉神経痛に対する治療として脳に対する治療を行っている効果の現れと考えている。ともあれご高齢になられてから10年間も苦しめられてきた三叉神経痛が、消失した状態で今後も日々暮らしていただけることを願っている。