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耳下の痛みと目の中がゴロゴロして泪が出始め、2日後顔面神経麻痺になった症例 55歳 男性
9日前に右耳下の痛みと右目がゴロゴロした感じで泪が出るようになり、運転がし難い状態になったため眼科を受診した。翌朝うがいで水がこぼれて口の歪みに気がつき、眼科の紹介状を持って病院の神経内科を受診した。頭部のMRIや血液検査に異常は見られず顔面神経麻痺と診断された。病院からステロイドとビタミン剤を処方してもらい、2週間後に通院するように言われた。この間ネットで当院を調べて来院された。
■診察
[ 初診 ]
眼科では目の表面に傷がついていて目が閉じにくくなっている為、よけいに泪が出ているのだと説明されたが、今も常に涙が出ているといった状態である。舌に痺れを感じているが味覚は正常である。耳下を含めて顔に圧痛は無い。当院での顔面神経麻痺評価点数は8点。点数は重度であるが、評価点数計測時点としてはピーク時に近い時期を考慮する必要があり、今後1ヶ月の推移で顔面神経麻痺の予後はハッキリすると伝えた。治療は鍼灸治療のみをおこなった。顔のマッサージや表情筋運動の仕方を書いたパンフを渡し、顔を寒風にさらさないないなどの一般的な説明をおこなった。
[ 2回目]
初診時の治療は気持ちが良かったとのお話である。目のゴロゴロ感と泪が少なくなった。治療前に仰臥位で3ミリ程開いていた瞼も治療後はしっかりと閉じており、経過の著名な変化から予後の良好さを示している。
[ 3回目]
当院初診から8日後。顔の見た目が良くなっている。泪も一旦止まっていたが、運転して疲れ、また泪が出ているとのお話である。
[ 4回目]
鼻スジが中央へ寄り見た目がさらに良くなっている。口の開閉がし易くなり食べやすくなった。舌の痺れも無くなった。
[ 3回目]
当院初診時から17日後。顔面神経麻痺評価点数28点。口の中をよく噛んでいたが、それも無くなった。頬を膨らませたときに少し空気が漏れる。
[ 4回目]
顔面神経麻痺発症から40日経過。当院初診時から30日経過。顔面神経麻痺評価点数40点満点の38点となり。このまま40点に推移すると説明し、略治とした。
■考察
この顔面神経麻痺症例は軽度の部類に入る症例である。当院初診時点で顔面神経麻痺評価点数は8点であり、顔の歪みなど見た目的には重度と言われても納得できるような状態であった。同じ顔面神経麻痺と言う病名で見た目に変わりが無くても、症状の推移に大きな差が出ることがよくわかる。
目の瞼が開いたままの時期はやはり眼球を傷つけないよう眼帯やメガネで保護する必要がある。そんな症例でもある。