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過去2度の顔面神経麻痺既往、今回3度目の顔面神経麻痺発症 24歳 女性

2か月前に左コメカミと耳の周囲が痛くなり、翌朝出勤してから鏡を見て顔の歪みに気が付いた。すぐに職場近くの耳鼻科を受信しステロイドの内服薬をもらった。過去10代に2度顔面神経麻痺の既往があり、服薬だけの顔面神経麻痺治療では不安になり、大病院の耳鼻咽喉科を再度受診し、ベル麻痺と診断されて入院となった。9日間の入院中毎日ステロイド点滴を行った。その時点での顔面神経麻痺に対する評価点数は8点、顔面表情筋の電気検査は20パーセント程度と言われた。内服薬はアデホスとメチコバールを出され、現在も服薬中である。退院しても顔面神経麻痺の症状があまり改善しておらず、担当医師から「顔面神経麻痺の後遺症が出るかもしれない」と説明されたことが不安になって、退院2日後からネットでも有名な鍼灸治療院に週2回間隔で2日前まで治療を受けていた。しかしそこの治療院では顔面神経麻痺の程度や後遺症についての説明もなく、鍼灸師が他のベッドの患者と同時間にかけもちの治療をしており、症状もあまり改善しないため、治療を受けることに不安を感じて当院を受診された。

■診察
[ 初診時]
当院での顔面神経麻痺評価点数は10点。顔面神経麻痺発症後2か月経過しての10点は中等度から重度の間である。耳周囲に痛みは無いが聴覚が過敏になっているとのこと。味覚は正常。瞬き時の口角挙上は見られない。治療は鍼灸治療のみを行った。他県からの新幹線通院になるが週2回の来院をお願いした。

[ 4回目]
起床時に目は渇いていない。聴覚過敏は消失。

[ 7回目]
口が横に広がりやすくなり、イーッと開くようになった。口内の狭さはさほど感じない。

[ 10回目]
顔面神経麻痺発症から3か月。当院初診時から1か月が経過した。顔面神経麻痺評価点数は18点。今週からマスクをはずしているとのことである。患側の頬がボテッとした感じがある。

[その後の経過]
顔面神経麻痺発症後4か月時点の顔面神経麻痺評価点数22点。
顔面神経麻痺発症後5か月時点の顔面神経麻痺評価点数26点
顔面神経麻痺発症後7か月時点の顔面神経麻痺評価点数30点
週1回の治療とする。
顔面神経麻痺発症後8か月時点の顔面神経麻痺評価点数34点
久しぶりに会った知人は顔面神経麻痺とはまったくわからなかった。

[ 49回目]
顔面神経発症から1年。当院初診時点から10か月が経過した。
顔面神経麻痺評価点数は36点。最後の3か月は月に1回の来院となった。話すのを観察  しても顔面神経麻痺とは全くわからないまでに治っている。 遠方でもあり今後は、再発等  気になるようなことが出れば来院するようにお願いして、略治とした。

[ 考察]
顔面神経麻痺発症から2か月経過して、当院初診時に計測した顔面神経麻痺評価点数が1 0点だったので、重度に近い点数である。しかも他院ながら鍼灸治療を週2回1か月受療して からの来院であったが、顔面神経麻痺症状は比較的良く回復したと思う。10代に2度顔面神 経麻痺の既往があり、今後の再発も考えられるので注意を要する。

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