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口唇ヘルペス後に発症した顔面神経麻痺 36歳 男性

口唇ヘルペスに今までもよくなってきた。今回は23日前の口唇ヘルペス発症中に耳中が痛くなり寝付けない状態となった。そんな中で翌日ゴルフに行ったが帰宅してから体がだるくなってきた。そして翌朝顔に違和感を感じ近所の耳鼻科を受診したところ、紹介状をもらって総合病院の耳鼻科を受診することとなった。そこでハント症候群と診断されステロイドの点滴を20ミリ3Aから始め→2A→1A→0.5Aと1週間の通院治療を受けた。他に現在に至るまでバルトレックス、メチコバール、トリノシンなどの服薬治療を受けている。発症後1週間経った日の顔面神経麻痺評価点数は16点。発症後2週間経った日の顔面神経麻痺評価点数は20点。電気生理学検査は32%とのことであった。この間鍼灸治療が顔面神経麻痺に良いと聞いて、ネットで有名な地元の治療院に相談に行ったが、「今当院で治療するかどうか決めなければ、後から来ても治療しない」と言われたとのことで治療を敬遠されたようだ。そして発症から20日後わざわざ他県にある当院に新幹線で来院された。

■診察
[ 初診 ]
当院での顔面神経麻痺評価点数は22点。口中の狭い感じは無い。うどんはすすれるがストローは難しい。耳中に軽い痛みがあり高い音が響く。味覚正常。治療は鍼灸治療のみをおこなった。遠方だが週2回の治療をお願いした。
[ 2回目]
前回治療から5日後来院。額のしわ寄せ。鼻翼の動き。頬を膨らませる動作がいずれも改善している。仰臥位で目が1ミリほど開いていたが、治療後は閉じている。

[ 3回目]
口中の食べ物の偏り(ー)。口中に食べ物が挟まる(-)。患者自身で口中から舌と指で頬を触ると固く感じる。

[ 5回目]
パピプぺポなどの破裂音がしやすくなった。口の膨らましがかなり改善されている。

[ 6回目]
病院でもらっていた目薬を使わなくてもよくなった

[ 10回目]
当院初診から1か月時点での顔面神経麻痺評価点数は40点満点の34点になった。病院での評価点数は36点だったとのこと。口中の固い感じは消失し左右とも同じになった。ただし口をすぼめて力を入れると固い感じがある。

[ 11回目]
両目の開閉スピードにまだ差が見られる。

[ 14回目]
この間で両目の開閉スピードに差がなくなった。

[ 15回目]
顔面神経麻痺評価点数は満点となった。ご本人の希望もあり念のため1週間後来院してもらうこととした。

[ 16回目]
顔面神経麻痺発症から2か月と2週間。当院初診からちょうど2か月経過して略治となった。

■考察

顔面神経麻痺発症から4か月ほど経過すると後遺症状が現れる。この症例は発症から2か月ほどで略治となった為、4か月ぐらい経過した頃に瞬きをすると口元がピクピクと軽く動く程度の後遺症が現れるかも知れない。しかし本人も意識しないとわからない程度と思える。もちろんご本人にもこのことは伝えた。

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