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顔面神経麻痺になると人前を避けたくなるが、ポジティブで明るい性格がそれを克服している顔面神経麻痺症例 68歳 女性

2ヶ月ほど前の朝顔面神経麻痺発症。大病院の脳神経外科を受診しCTを撮ったが脳に異常は見られなかった。翌日同病院の耳鼻咽喉科を受診し、電気検査を受け「顔面神経の損傷が大きい」という説明を受けた。また顔面神経麻痺評価点数は6点と言われた。それから9日間通院でステロイドの点滴を受け、他に服薬でメチコバールとアデホスを処方してもらった。当院受診1週間前にも耳鼻咽喉科を受診し、顔面神経麻痺評価点数を計ったがそれについての説明は無く「気長に見ましょう」と医者から言われた。

■診察
[ 初診 ]
離れて見ても一目で顔面神経麻痺とわかる状態である。口元のゆがみが顕著で、目も眉の高さもかなり左右差がある。誰が見ても顔面神経麻痺重度のように見えるタイプである。当院で顔面神経麻痺評価点数を計ると8点であった。顔面神経麻痺後遺症の説明や、顔面表情筋運動と顔面マッサージの仕方などを説明した後鍼灸治療をおこなった。性格的に明るくハッキリとしておられ、よくお話もされた。こちらが週2回の間隔で来院をお願いすると、間違いなく来るとご自分の意志のハッキリした性格を説明され、週2回の来院を確約された。
[ 10回目]
顔面神経麻痺発症から3ヶ月経過。当院初診時から1ヶ月経過し口元が横に広がってきた。少しニコッとできる。顔面神経麻痺評価点数14点

[ 19回目]
当院初診時から2ヶ月経過。顔面神経麻痺評価点数18点。初診時一目でわっかた顔のゆがみも話さなければさほど判らない。

[ 29回目]
顔面神経麻痺発症から5ヶ月、当院初診から3ヶ月経った。顔面神経麻痺評価点数22点。頬のあたりがざわつく感じがある。。

[ 51回]
顔面神経麻痺発症から8ヶ月、当院初診から6ヶ月経った。顔面神経麻痺評価点数30点

[ その後の治療経過]
顔面神経麻痺発症から12ヶ月、当院初診から10ヶ月経った。大病院耳鼻咽喉科での顔面神経麻痺評価点数は36点である。ただし私の評価点数は30点である。この間表情筋の筋力低下を防ぐ目的から共同運動を考慮しながら、患側での咀嚼や両側の表情筋運動などを積極的に勧めた。また顔の表情をつくると稍目が細くなるのでフィードバック法をお願いした。ご自身の評価では「日常全く困らないし、少々人から変に見られても気にしない」とのお話であった。私もご本人のお話からこれ以上だらだらと治療をする必要性を感じなかったので、発症から1年、当院初診時か10ヶ月で略治とした。

 

■考察

この症例は顔面神経麻痺という他人の目を気にするのが当たり前の症状に、顔をさらけだして「私顔面神経麻痺になったんよ」と言うことの出来る数少ないタイプの患者症例である。当院での治療も約束通り週2回きっちりと来院された。症状的にはかなりきつかったため口元のゆがみも少し残ってしまったが「うどんをすすってもまったく困らない」と笑顔でお話しをされた。
発症11ヶ月目と1年目とにほとんど変化が見られず、後遺症状も進行が見られなかった。極端に忙しい日常の中で来院されているのも分かっていたので略治とした。

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