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顔面神経麻痺症状が改善され、医師や看護師など医療スタッフ皆が驚いてそばに寄ってきた顔面神経麻痺症例 58歳 女性
16日前の夕方耳が急に塞がった感じで痛くなった。すぐに近くの耳鼻科を受診したところ耳中に水疱が出来ていて腫れておりヘルペスと診断された。その日は内服薬をもらって帰宅したが、翌日の昼食時に口中が麻酔をしたような感じになり、再度昨日の耳鼻科を受診し末梢性の顔面神経麻痺と診断された。そこから紹介状をもって大病院の耳鼻科を受診した。その際顔面神経麻痺評価点数は6点と説明されたが、電気生理学的な検査はしなかった。医師に鍼灸治療について尋ねると否定的に言われた。10日間通院でステロイドの点滴を受けた。またかかりつけの内科へも受診している。
■診察
[ 初診 ]
顔面のゆがみがかなりはっきりとしている。特に口角のゆがみが目立ってみえる。味覚がわかりにくい。涙がかなり出る。現在耳鼻科からアデホスとメチコバールを処方されている。当院での顔面神経麻痺評価点数は病院耳鼻科同様6点のままであった。東洋医学による診察では脈は浮数、舌は津液少、舌先紅、臍の左に動悸。治療は鍼灸治療のみおこなった。当面週2回の間隔で治療をおこなうこととした。
[ 4回目]
左に寄っていた口がやや中央寄りになり、眉が動くようになって顔の印象が変わった。涙の量が減り顔が軽くなったとのこと。また頬の奥がビリビリとして感覚が戻ってくるような気がするとのお話。
[ 10回目]
顔面神経麻痺発症から1ヶ月半、当院初診から1ヶ月経った。顔面神経麻痺症状は急激に改善し、顔面神経麻痺評価点数が20点になった。味覚も正常になっている。口角はまだ正常側によっている。鼻翼や頬の動きが悪いとのお話である。
[ 23回目]
患側目の周囲外側にタオルを当てるとジワジワした感じがする。眼下がひくつく。
顔面神経麻痺評価点数26点。
[ 33回目]
麻痺発症から4ヶ月が経過してかかりつけの内科を受診した際、医師から「治ったね」と言われた。周囲の看護師も皆が寄ってきて良くなったことに驚かれた。自分から目の周囲に麻痺症状が少し残っていると説明した。
[ 46回目]
顔面神経麻痺40点満点の40点となった。その後2週間間隔で4回治療をし後遺症状態を確認した後治癒とした。
■考察
この症例は顔面神経麻痺評価点数上は重度であり顔のゆがみもかなり目立っていたが、周囲が驚くほどかなりきれいに回復した。点数だけをみると相当後遺症状が残ってもおかしくないはずであるが、まるで治癒と言えるような症例となった。これは発症後ステロイド点滴を終えてすぐに当院での治療を開始したように、鍼灸治療のとりかかりが早かったことも治癒に至った一因と思える。しかし顔面神経麻痺評価点数上重度でも、味覚異常が軽度であり顔面神経麻痺発症部位が、比較的皮膚表面に近い部分でおこったせいではないかと私は考えている。でなければ当初の急激な回復は考えられない。もちろん患者様ご自身が週2回きちっと当院に通院して治療を受けられたことや、ご自宅での顔面表情筋運動やマッサージを正しく行われたことが回復に大きく左右したことは間違いない。