診療時間(完全予約制)
休診日(日曜・祝日)
診療時間
8:30~12:30
13:30~20:30 -

TEL 086-270-0188

〒703-8275

岡山県岡山市中区門田屋敷1丁目
9-29(菱和パレス一階)

帯状疱疹罹患後に顔面神経麻痺となったハント症候群による症例 37歳 女性

1ヶ月前に右耳の痛みで耳鼻科を受診し異常無しと言われた。その翌日頭痛がある中で無理に仕事をし、夕方頃から耳に発疹が現れはじめた。その夕食時には急に口が動かなくなってしまった。鏡を見ると顔が曲がっていた為すぐに病院の救急外来を受診した、担当は内科のドクターだったが耳鼻科のドクターに問い合わせしつつステロイド、メチコバール、バルトレックスなど帯状疱疹が原因の顔面神経麻痺として処方薬を出してくれた。翌々日に病院の耳鼻咽喉科を受診した時には、帯状疱疹で耳が倍ほどに大きく腫れている状態であった。その後1ヶ月間ほど病院に通院をし、ネットで鍼灸治療のことを知って当院を受診された。出産後4ヶ月ほどの授乳の必要なお子さんがおられるが、人工栄養に切り替えているとのことである。

■診察
[ 初診 ]
初診時の顔面神経麻痺40点評価法でのスコアは20点と比較的経度の点数であった。点数項目に無い耳の周囲がかゆいといった訴えや、「味が薄い」といった軽い味覚障害がある。治療は鍼灸治療と遠絡療法をおこなったがいずれも初めて経験する治療である。症状は軽度であり後遺症が残ることは無い旨と、顔を寒風にさらさないないなどの一般的な説明をおこなった。治療間隔は仕事の都合で週に1回となった。

[ 治療経過]
治療2回目に耳のかゆみ消失。治療3回目で軽度の味覚障害は通常に戻っている。

[ 7回目]
当院での治療1ヶ月が経過。先週病院耳鼻科で点数をはかり評価は30点と言われた。本日の当院での点数は32点であった。

[ 9回目]
先週病院の耳鼻科を受診し治癒と診断された。本日当院での点数は40点と満点評価となった。顔面神経麻痺発症後3ヶ月弱。当院治療開始後2ヶ月弱で治癒となった。

■考察
顔面神経麻痺になると顔が突然歪んだことに誰しもがビックリしてしまう。一番目立つ顔の事だけに社会生活や精神面でも大きな影響が出る。治療する側はそのことも気遣う。、しかし純粋に治療という視点から見れば顔面神経麻痺の難しさは見た目の程度ではない。神経罹患の程度にある。中等度以上の顔面神経麻痺になれば後遺症が残る事も多くあるが、大病院や大学病院でさえ後遺症に対しては目をつぶろうとしているかに見える。
ともかくこの症例のように元の状態にまで治癒すると、軽度の症例であったとしてもホッと嬉しいものである。

最近の症例