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岡山県岡山市中区門田屋敷1丁目
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ハント症候群 67歳 女性

20日前に右耳に発疹が出た為耳鼻咽喉科を受診しヘルペスと診断された。その5日後に右顔面神経麻痺が発症した。すぐに総合病院の耳鼻咽喉科を受診し、そこで抗生物質に加えステロイドの点滴を9日間おこなった。現在は鎮痛薬、胃腸薬、ビタミン剤、を服用し点眼薬を使用している。顔面神経麻痺以外の症状として緑内障、甲状腺ホルモン機能亢進症がある。当院へは顔の歪みを一日でも早く治したいというお気持ちと、西洋医学の治療だけに頼ることへの不安感から、Netを検索された娘さんを通じてご主人と共に来院された。

■診察
[ 初診 ]
耳鳴りは無いが右耳下に痛みがある。味覚は正常。右目は完全閉眼が出来ない。眉毛の高さに左右差がある。口は健側に引っ張られ40点法をおこなうと10点であった。治療は鍼灸治療と遠絡療法を併用しておこなった。治療後寒風に顔をさらさないことや眼の保護等一般的な注意点と、週2回の治療が必要なことをお伝えし1回目の治療を終えた。

[ 経過 ]
治療の回数を重ねる度に明らかに顔面神経麻痺症状は改善されていった。当院初診時から約1ヵ月、8回目の治療後40点法の検査をおこなったところ32点という結果が出た。11回目の治療で36点、12回目で38点となり、当院での初診から2ヶ月足らずで治癒という点数に到達した。

■考察
この患者の場合、ヘルペスウィルスが原因で顔面神経麻痺が発症したハント症候群と言われるタイプの顔面神経麻痺である。同じ顔面神経麻痺でもBell麻痺に比べハント症候群による顔面神経麻痺は治りが悪いと言われている。たしかにBell麻痺とハント症候群ではデータ的にはそれが言えるのかもしれないが、それ以上に顔面神経の不通となっている場所が、中枢側か末梢側かという深度の方が予後に関係しているようである。この症例では顔面神経の皮膚に近い浅層部が侵されたため、比較的短期間で治癒にいたったのではないかと考えている。

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