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家から出ようとすると不安で心拍数が上がり、吐き気が出て外に出れない パニック障害 17歳 男性
これからの進路やバイト等によるストレスが重なり半年ほど前から、「こうなったらどうしよう。ああなったらどうしよう」と言う予期不安がきつくなり、学校にも行けず自室でのベッド上生活が基本となった。一人での外出は出来なくなり、出ようとすると心拍数が上がり過呼吸と吐き気を催すようになった。その為現在は通信制高校生となり心療内科に通院して精神薬であるエピリファイが処方されている。当院は知人に紹介されて来院された。
<初診時>パニック障害発症から6カ月経過
東洋医学の検査では脈や舌の状態を診る。脈は緊、数。この場合は西洋医学で言う交感神経緊張状態である。舌は地図状舌でこの場合はストレスによるものだろう。施術は鍼治療経験が無く、愁訴からは気持ちの良い施術を良しとする疾患の為、それに従った施術をおこなった。以後週1回の施術を行うこととした。
<3回目>
家族とショッピング。しんどさは無かった。「最近調子良い」とのこと。自宅ではまったく普通に過ごせる。
<8回目>当院初診時から2カ月経過
この間友達と2人でカラオケに行ったり、中学の先生宅に行った。
<12回目>当院初診時から3か月経過
家族同伴だが電車に乗れた。自動車免許を取るため教習所に行くことになった。
<15回目>
自動車仮免許が取れた。友達とコンサートライブに行けた。
<22回目>パニック障害発症から1年経過。当院初診時から半年が経過
自動車免許が取れて近くなら一人で運転。大学のオープンキャンパス参加。友達の家にも泊りがけで行けた。心療内科の医師から「いい感じ。この調子で行こう」と言われた。
<31回目>パニック障害発症から1年2か月経過。当院初診時から8カ月が経過
大学受験面接を受けた。さほど緊張せず、落ち着いて思った内容が喋れた。夜間一人散歩していて、「1年前から比べると本当に良くなった。それだけで嬉しい」そう思った。
<36回目>パニック障害発症から1年3か月経過。当院初診時から10カ月が経過
週2回夜間のアルバイトを始めた。バイト先まで一人で電車に乗れるようになっているが、バイト前に処方されているトンプクを服用した。
<55回目>パニック障害発症から1年8か月経過。当院初診時から1年2カ月が経過
大学入学。一人で電車、バスを乗り継いで通学している。アルバイトにも行っている。
<66回目>パニック障害発症から2年経過。当院初診時から1年半が経過
予期不安はどうしても出ることはあるが、それを乗り切れるようになった。日常生活も心身の状態も、パニック障害前とほぼ変わらなくなった。施術上でも3カ月程度様子を見ていたが問題ないと判断した。略治とした
<考察>
週1回の間隔で1年半の経過を追った所謂パニック障害の施術経過記録である。この症状は医師にしろ施術者にしろ、パニック障害を治すといった立ち位置にはいない。あくまで病気を抱えるご自身が処方して治していく。医師や施術者はそれを少しだけ支えるといった存在に過ぎない。その記録である。