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3カ月前に顔面神経減荷手術をしたが症状が良くならない 顔面神経麻痺 29歳 男性
約3カ月前に右耳が痛くなり翌日舌尖部にヘルペスが出来ていた。その日はそのまま仕事に行ったが、翌朝起きると顔の右半分が動かせず救急で病院を受診した。救急担当医からは「舌尖ヘルペスよりも喉の奥にヘルペスがあり、それが顔の麻痺に関与している」と説明された。4日後同病院の耳鼻科を受診し、顔面表情筋の電気生理学的検査(ENOG)を受けた。結果は9%と言われた。ステロイド、アデホス、メチコバールを処方されたが、「Enog値が10%を切っており手術の適応ですがどうされますか」と言われた。その為手術を受けることし、顔面神経麻痺発症から20日経った時点で顔面神経減荷手術を受け、その4日後に退院した。そして傷病手当で約1か月間自宅療養した後仕事に復帰した。この1か月間ステロイドの点滴や服薬はしていない。顔面神経麻痺発症から3カ月ほど経過した現在も顔の状態が好転しないため、当院をネットで検索して来院された。
<初診時>顔面神経麻痺発症から約3か月経過
当院での顔面神経麻痺評価テストは6点。重度である。顔面神経減荷手術後の聴力は正常だが、耳に水が入ったようにこもった感じと圧迫感がある。味覚は正常.
<6回目>顔面神経麻痺発症から約4か月経過。 当院初診から1カ月経過
顔面神経麻痺評価テストは12点。病院耳鼻科での評価テストは14点。見た目は随分良くなっている。耳の水のこもりと圧迫感消失。朝方冷えて顔が強張る。時間をかけると目が閉じれるようになった。以前より洗顔時に目に水が入りにくくなってきた。
<10回目>顔面神経麻痺発症から約6か月経過。 当院初診から3カ月経過
顔面神経麻痺評価テストは20点。見た目はほとんどわからない。うがいグチュグチュペーでまだ水が漏れる。食べ物の口内での残渣物大分ましではあるが偏りがある。
<14回目>顔面神経麻痺発症から約8か月経過。 当院初診から5カ月経過
顔面神経麻痺評価テストは26点。洗顔時目に水は入らなくなった。急激に良くなってきている。
<18回>顔面神経麻痺発症から約9か月経過。 当院初診から6カ月経過
顔面神経麻痺評価テストは30点。顔面神経麻痺症状はとても良い。特に日常で困ることは無い。
(考察)
年齢の若い方に有りがちだが、顔面神経麻痺症状が良くなり、見た目も生活上も問題なくなってくると治療よりも仕事が優先される。この症例でもこの間一度ご予約のお電話があったが、予約枠の関係で中断症例となった。若いこともあり顔面神経麻痺発症半年あたりから顔面神経麻痺症状が急激に改善していった。おそらくそのまま治療していても早い段階で略治に至ったと考えられる。
推測にすぎないが、当初顔面神経麻痺が発症してから3カ月ぐらいまでは、手術によるダメージが大きく作用して症状の回復がとても遅かったのだろう。しかし若いだけに鍼灸施術の後押しもあって、顔面神経麻痺発症半年あたりから、手術により一度ダメージを受けた顔面神経の再生回復力だが、この症例では時間経過と共にプラス方向に働いて行ったのではと手術を肯定的に捉えている。