「洗顔時に目に水が入る」１週間前に発症した軽度の顔面神経麻痺　　３８歳　女性

1週間前の朝の洗顔時に、目に水が入りウガイがしづらい状態に気が付いた。すぐに耳鼻科を受診して、耳の後ろが痛かったので「ハント症候群ではないか」と医師から言われた。血液検査に異常は無くステロイドの服薬とバルトレックスにメチコバールが処方された。1週間経った今も洗顔時に目に水が入るので、治るのか不安で当院をネットで調べて来院された。

 

＜初診時＞

顔面神経麻痺評価テストは２２点。額の皺は正常。イーっと口を開くのもほぼ正常。坐位での閉眼も出来る。患者には「１か月以内には治るだろうから心配はいらない」と伝えた。

 

＜２回目＞前回施術から５日後

顔面神経麻痺評価テスト２６点　御飯が食べやすくなった。うがいがしやすくなった。

 

＜３回目＞前回施術から５日後

顔面神経麻痺評価テストは３２点　顔の違和感がすごく楽になった。

 

＜４回目＞前回施術から1週間後

顔面神経麻痺評価テストは３４点　強い閉眼もほぼ正常になった

 

＜５回目＞顔面神経麻痺発症からおよそ１か月経過　前回施術から８日後

顔面神経麻痺評価テストは４０点満点の３６点　片目つぶり（ウィンク）も正常となり。鼻翼の動きと、イーと口を横に広げる動作が完全に左右対称とまではいかないが、ほぼ顔面神経麻痺発症以前にまで回復し、このまま時間の経過で正常になると判断したので略治とした。

 

（考察）

この症例は軽度といっても１か月近く症状が続いており、同じ軽度患者でもステロイドなど治療の必要のない方や、鍼灸施術で１回、２回程度の施術で治ってしまう患者もいる。そういった意味では中等度の分類に入るのかもしれない。この症例では鍼灸施術を受けなくても顔面神経麻痺は治癒すると思えるが、鍼灸施術を受ければ回復のスピードが速いので後遺症が出るリスクを避けることが出来る。またマッサージや表情筋を動かす注意点の指導をするので、そういった意味でも後遺症予防につながるので、当院での施術の意義は十分にあると思える。