腰部・臀部から下肢にかけての疼き・痛みと痺れ　７８歳　男性

１ヶ月前農作業中に腰にギクッという抜けるような痛みが走り、当初は睾丸にまでその痛みが走り３日ほど疼きで眠れない状態が続いた。整形外科でレントゲンを撮ると「腰椎が２箇所でずれているがひどい状態ではない。今回の症状との関係はなんとも言えない」と説明された。発症から１ヶ月経った今も、夜は疼きがあり、歩行時に痛みがきつく、座位姿勢でも鈍痛がある。鎮痛薬（ロキソニン）の効果がまったくないとのお話であった。

■診察
[ 所見 ]
左臀部から下肢前側にかけて痛みと痺れがある。アキレス腱反射テスト（－）　膝蓋腱反射テスト（反射消失）　ＳＬＲ（－）　腰椎４番神経根部での問題と判断した。

[ 初診 ]
治療は遠絡療法と鍼灸治療をおこなった。治療後腰から臀部・下肢への鈍痛と歩行時の痛みが軽減した。

[ ２回目 ]
前回から１週間後。
疼きは、この間朝方に軽い疼きがあった程度となった。歩行もかなり楽になった。

[３回目 ]
疼きは消失。痺れの範囲と程度も軽くなり、日常生活には支障は無いとのお話であった。

■考察
この患者様は遠方ということもあって、この時点から以後来院されていないのは残念であるが、苦しんだ症状が鎮まったことは治療者としては安堵している。
整形外科のレントゲン所見では、症状との因果関係はわからないとの説明を受けたようだが、当院での膝蓋腱反射テストで反射の消失が見られており、馬尾神経以下から腰椎４番に問題があるのは明らかである。