腰痛・臀部痛・足の付け根からソケイ部痛・足の痺れと浮腫み　３２歳　女性　

２週間ほど前から腰に違和感が出るようになっていたが、それでも卓球をしダンスをしたが、ダンスの途中から腰痛と臀部痛で耐えられなくなった。その症状にさらに左足の痺れ（シビレ）と張りと浮腫み（むくみ）などが出るようになり、日常の痛みからパニック様の状態になり突然に仕事を辞めてしまった。左足に体重がかかると腰痛、臀部痛、ソケイ部痛と足の痺れ（シビレ）がきつくなる。また左足が全体にだるい。

■所見
立位、前屈位、歩行動作、寝返り時にも痛みがある。
右側ＳＬＲは正常。左側ＳＬＲは２０度で（+++）　腰部臀部ともに浅く触れても圧痛が顕著にある。熱感（－）

■診察
[ 初診 ]
ＳＬＲが２０度で陽性に出ており、圧痛もかなり過敏にあるので患部に対しては慎重に腰椎、仙骨部位、臀部の治療をおこなった。治療直後に効果がはっきりと現れ、愁訴の殆どが軽減した。ＳＬＲが陽性なので念のため整形外科の受診を勧めた。

[ ２回目 ]
１週間後来院。前回の治療後腰痛臀部痛、足のしびれも浮腫み（むくみ）も張りも全てが消失したとのお話で、今日はアトピーの治療を希望したいとのことであった。私自身は鍼灸治療を行って、回を追うごとに症状の軽減を予想していたので、１回で全ての症状が取れたと聞き驚いた。また前回の治療後整形外科を受診されたが、X-Pに異常は無く、整形外科の医師からは「腰痛も足の痺れ（シビレ）も浮腫み（ムクミ）も気のせいだ」と説明をされてとても憤慨されたようだ。
■考察
私の臨床経験からも、初診時に神経経路にハッキリとした痛みが出ており、動作痛も圧痛もＳＬＲ等も腰椎からの神経痛を表していた。整形外科の医師が「気のせい」と相手にしないような返答をされたそうだが、初診時の状態は気のせいではなかった。私自身も持病に腰痛と坐骨神経痛があり、自身の体を実験台にすることで腰痛と神経痛は得意な疾患の一つであるが、ここまで効果が出ることは、急性腰痛ならままあるが、神経痛と痺れやむくみがらみの所謂神経根症状ではあまり無い。