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2箇所の病院で早期の手術を勧められた椎間板ヘルニア 76歳 男性

1週間前自宅の裏山に登った。前日から腰が痛かったのを、そこでラジオ体操をするのが日課なので頑張って登り、痛みで下山出来ないかと思えるほどの状態になった。自宅で2日ほど寝返りも出来ないほどの痛みをこらえた後に、かかりつけの整形外科の紹介で、総合病院の整形外科を受診した。そこでMRIを撮った結果腰椎の椎間板ヘルニアと診断され、手術を勧められた。その結果を受けてかかりつけの整形外科では、「すぐに手術をすれば自宅で正月が迎えられる」と早急の手術を勧められた。しかし手術だけはしたくない為、知人の紹介で当院に来院された。

■診察
[ 初診 ]
左の腰臀部から大腿部後側と下腿部外側と前側及び足の甲にかけて痛みがあり、下腿部前側と外側から足の甲には痺れがある。立位、座位、歩行いずれも痛みと痺れが強く出るため一日寝ているとの事である。椎間板ヘルニアの好発年齢と発生過程から、病名と症状にまず疑問を感じた。さらにすぐに手術というのにも疑問を感じた。治療は鍼灸治療と遠絡療法をおこなった。治療後は痛みと痺れが半減し痺れの範囲が下腿2分の1以下に小さくなった。

[ 4回目 ]
初診から4日続けて治療をした。日常生活では殆ど困らない状態にまで回復し、昨日は調子
が良いので畑までして、少し痛くなったとのお話であった

[ 5回目 ]
痛みは下腿の下半分の前頚骨筋に沿ってのみ軽度にあり、痺れは足の甲にのみ狭い範囲に有る状態にまでなった。、「歩行にも支障が無い」とのお話なので、急性期の痛みは落ち着ついたと判断した。今後は管理と予防の為に治療にきていただくことが大切だと考えている。

■考察
MRIの検査から手術という選択肢が医師から示されたわけだが、簡単な治療で「あっ」という間に日常生活への復帰がおこなわれた。このことから見て今回の症例における腰臀部から下肢の痛みと痺れの訴えの原因は、関節や椎間板などの構造的な変形が基では無かったことがわかる。つまり関節周辺の軟部組織の機能低下が問題だったようだ。画像だけを見て手術を告げる医師がおり、その為に手術が行われているとすれば、たまったものではない。このケースでは2箇所の病院で手術を勧められており、よくぞ手術をしなかったものだと思った。

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