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顔は正常に見えるが閉眼できない。中程度の顔面神経麻痺症例 33歳 男性

20日前の朝に側頸部に痛みがあり、目にも違和感があったがそのまま仕事をして一日を過ごした。翌朝鏡を見て瞬きが出来ていないことに気づき、近くの耳鼻科を受診したら大きな病院にかかるように紹介された。検査上聴力には問題なく顔の電気生理学検査(ENOG)76%。顔面神経麻痺の評価点数は30点。ステロイドとアデホスを1週間分服薬処方された。(もっとも発症翌日の電気生理学検査と顔面神経麻痺の評価点数は参考にはならない)。発症1週間後の受診時の顔面神経麻痺評価点数は10点。血行促進のカルナクリンとビタミン剤のメチコバールが処方された。発症半月後の受診時の電気生理学検査(ENOG)では36%であった。目を開けての作業や運転時また食事時に辛さを感じるため当院をネットで調べて来院された。

 

<初診時>

発症から20日後。見た目は一見正常に見えるが閉眼は出来ない。顔面神経麻痺評価点数は14点。

 

<2回目>

前回治療後のしんどさなどはなかった。閉眼が可能になり目は気にならなくなった。耳下の腫れが小さくなった。

 

<3回目>当院初診時から12日経過

顔面神経麻痺評価点数28点。急激に改善している。口を横にイーっと広げられる。口をプーっと膨らませるなどが出来るようになっている。耳下の腫れは消失。

 

<8回目>当院初診時から1か月経過。

患側の頬あたりにあった違和感消失。額の皺もしっかり出てきたが患側に向けやや斜めに下がっている。頭側から見ると鼻翼にも少し差がある。もちろん見た目ではわからない程度である。

 

<11回目>顔面神経麻痺発症から2か月、当院初診時から40日経過

顔面神経麻痺評価点数40点満点となった。経過観察の為2週間後に来てもらうこととする。

 

<12回目>顔面神経麻痺発症から2か月と13日経過、当院初診時から1か月と20日ほど経過。顔面神経麻痺の状態は安定しており後遺症予防の説明をしたうえで略治とした。

 

(考察)

この症例は顔面神経麻痺でも中等度といったところである。難しくなるが電気生理学検査(ENOG)で数値が40%以下では神経の軸索変性により神経が迷入再生を起こし後遺症が出ると言われている。この患者様は電気生理学検査(ENOG)36%と言われ、共同運動などの後遺症が出る可能性がある。例え後遺症が出るとしても発症後4カ月前後である。状態から見て困るほどの後遺症は出ないと判断した。顔面神経麻痺症状の軽い方は、特に男性の場合少し良くなると来院されなくなることがあり、養生せずに顔を動かして後遺症が出てから再度来院されるケースがある。しかしこの患者様の場合は週に2回きちんと施術を受けに通院された。しかし念のために後遺症予防の注意点は説明させていただいた。

 

 

 

 

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