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顔面神経麻痺発症後、星状神経節ブロック注射や鍼治療など受け4か月経過後に来院された 85歳 女性
4カ月前に顔の異常が出現して病院を受診した。病院では脳のCTなど検査をしたが異常は無く顔面神経麻痺のハント症候群と診断された。
プレドニン(ステロイド)、バラシクロビル(感染症薬)、メチコバール(ビタミンB12)を7日分処方されたが。3日後に血便が出て胃と大腸の内視鏡検査をしたが異常は無かった。その後他県で麻酔科内科をされている息子さんのもとに月2回通院して星状神経節ブロックを30本受け、この間に鍼治療も受けていた。医師から顔面神経麻痺評価点数は5点ほどで「治るのに半年はかかるね」と言われた。また目が痛いので眼科にも通院中で眼科で顔のマッサージ指導をしてもらった。
<初診時>顔面神経麻痺発症から4か月経過
顔面神経麻痺評価テストは10点。「左目の瞼が動かない。目が少しだけ開くが涙が出て痛い」とのお話である。眼球に傷がついていると思われるので、眼科での治療併用が必用な旨を伝えた。
<3回目>当院初診時から1週間後
「上瞼の腫れぼったさがスーッと楽になってきた。顔のゆがみが少し中央に寄ってきた。治るような気がしてきた」とのお話である。
<8回目>顔面神経麻痺発症から5か月。当院初診時から1か月経過。
顔面神経麻痺評価点数16点。全体的な顔の歪みや動きの改善はとても良いが、老人によく見られるタイプで、患側の眉毛の上りが残る可能性がある旨を話し、上眼瞼の下垂は日帰りの簡単な手術と言う方法もあるから心配することは無い。手術をするにしても発症後1年以上経過してからの話で、今は顔面神経麻痺を直すことにしましょうと伝えた。
<15回目>顔面神経麻痺発症から6カ月経過。当院初診時から2か月経過。
顔面神経麻痺評価点数18点。通院中の眼科に大学病院から派遣された医師が月1度来ていて、眼瞼下垂についての診察を受けて、医師からは「今手術するのは早い。回復の状態を見た後、手術をするにしても、顔面神経麻痺評価発症から1年以上経ってからにするのが良い」
と私と同じように説明された。
<22回目>顔面神経麻痺発症から8カ月経過。当院初診時から4か月経過。
顔面神経麻痺評価点数20点 歌が歌え、口角から水がこぼれなくなり、うがいがしやすくなった。
<27回目>顔面神経麻痺発症から9カ月経過。当院初診時から5か月経過。
顔面神経麻痺評価点数20点 家族からは顔を見てもわからないと言われる。「味噌汁を食べてもこぼれないので、ありがたい」とのお話であった。
<33回目>顔面神経麻痺発症から11カ月経過。当院初診時から7か月経過。
顔面神経麻痺評価点数24点 口を横に広げるイ―っというのが開くようになっている。アイウエオでの目の共同運動は出ている。
<37回目>顔面神経麻痺発症から1年が経過。当院初診時から8か月経過。
顔面神経麻痺評価点数26点。当初の予想通り眉毛だけは上りが悪いが、他の状態は良いし家族でもわからないまでに改善している。
眼瞼下垂部分についての手術は日帰りとはいえ、ご家族は反対をされているようだ。当院での治療については今回で略治とした。
(考察)
顔面神経麻痺後遺症として、眉毛と上眼瞼が上がりにくいタイプは、皮膚の皮のたるみとも関係していて高齢者に比較的多い。この場合はたるみを引き上げる手術が日帰りでも可能であり、他の手術に比べてリスクも少ない。ただしこれも顔面神経麻痺症状の治療をして後の話である。