２週間前から耳鳴りがするようになり耳鼻科を受診し、突発性難聴と診断された　４５歳　男性

２週間前から耳鳴りがするようになり耳鼻科を受診して突発性難聴と診断された。耳のつまった感じや響きは無い。聴力検査では左耳の高音の聴力低下を言われた。耳鼻科からステロイドとアデホス、カルナクリンといった血流改善薬が出されている。耳鳴りは高音でピーやジーと言った音。この間肩も凝るのでカイロに行き肩を揉んでもらったが耳鳴りに変化はなかった。

 

＜初診時＞

突発性難聴との診断名で発症から２週間ほどしか経っていないが、耳のつまりや響きはなく耳鳴りだけが主訴の場合は難症のケースもあるので、５回を目途に治療をして変化を見ることにした。耳鳴りの音は静かな場所では大きく聞こえ、外にいる時は小さい。治療は鍼灸治療と遠絡療法をおこなった。

 

＜２回目＞前回の治療から５日後

この間２度耳鳴りが止まったいたが、また鳴り始めた。本日治療後は耳鳴りが静かになった。

 

＜３回目＞前回治療から５日後

前回治療後から翌日の昼頃まで耳鳴りが止まっていた。治療後は耳鳴りの音がジーからシーに変化した。

 

＜４回目＞前回治療から６日後

この間は耳鳴りの音が大きくなったり小さくなったりしていた。本日の治療後は耳鳴りの音が小さくなっている。

 

＜５回目＞　前回治療から１０日後

今まで耳鳴りは静かな場所で大きく聞こえていたが、この間は静かに横になっていてもシーンと静かな感じだった。

本日の治療後耳鳴りが　１０→０と聞こえなくなっているとのことで、１０日前からの耳鳴りの静かさを考慮し略治とした。

 

＜考察＞

何度か書いているが、耳鳴りは耳鼻科領域とは言えないことも多い疾患である。また耳鳴りそのものは個々のケースにもよるが難治性のものがある。しかし同じ耳の症状でも、耳のつまり＜閉塞感＞やこもたっ感じや響きなどは比較的短期間に改善することが多い。この症例は耳鳴りのみの愁訴であったが短期間で略治に至っており、同じ耳鳴りといっても音の大小高低といった出方が、予後と関わるのがよくわかる症例である。