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めまい(眩暈)頭痛 倦怠感 不眠 動悸 肩上肢痛 腰痛 物や空間の認識が出来にくい など様々な愁訴を抱え自宅でほとんど寝ている状態 35歳 女性

2年半前に整体で、第一胸椎をボキッとされてから自宅でほとんど寝ている状態になり、外出が難しく、めまい(眩暈)、動機、のぼせ、頭痛、倦怠感、不眠、肩や上肢の痛み、腰痛、食欲不振、やる気が出ない、物の認識や部屋の中での空間の認識がしづらい。などの諸症状で苦しむ状態が続いている。動いてもじっとしていても辛い。現在ペインクリニックで服薬とリハビリを受けており、当院をネットで知り来院された。

 

<初診時>

ペインクリニックでは不眠症治療薬のベルソムラと、心身症、不安神経症、頚肩痛、腰痛、筋肉痛などに対してデパス(エチゾラム)が処方され、運動療法としてPTからストレッチとマッサージ治療を受けているとのことである。一応副作用が気になるので調べると、ベルソムラの副作用に動悸が、デパスの副作用に倦怠感や脱力感などが書いてある。

鍼治療が初めてで怖いとのことで、初診時は遠絡療法のみをおこなった。

 

<経過>

この症例は、上位脳や小脳間脳が関係するような空間認識や自律神経症状。整形外科領域に関係するような肩や上肢や腰の痛みなどの諸症状が混在し、一進一退を繰り返しながら徐々に徐々に快方に向かって行き、患者様から「1年前にここに来た頃は、ここまで良くなるとは思っていなかった、感謝です」と言われるまでに週1回の治療で1年3か月を要した症例である。経過をかいつまんで記載する。

 

<7回目>当院初診時から1か月経過

治療は鍼灸治療と遠絡療法を行っている

今週は調子が良く子供と散歩をした。ボーっとする時間が減り部屋の隅々まで認識でき、物事も認識出来た。寝つきは悪く途中覚醒があるが、朝は起きれた。

 

<12回目>当院初診時から2か月経過

このところ眩暈(めまい)が出なくなっている。腰痛、後頚部痛がある。笑えるようになりたい。

 

<16回目> 当院初診時から3か月経過。

この1週間は日中の動悸が少し落ちついている。ボーっとしてやる気が起きず頭がクラクラして重い。治療後は頭が軽くなってめぐっている感じがする。

 

<21回目>当院初診時から4か月経過

前回治療からの1週間のうち治療後の3日間は調子が良かった。しかし4日目から胸苦しさや動機、倦怠感が出てきた。

 

<26回目>当院初診時から5か月経過

一進一退を繰り返しながらも調子が良い日が多くなってきた。症状全体は良くなっているが不安定である。

初めて子供と2人で6時間外出できた。料理教室に行って2人で作業できた。

今日はクラクラする眩暈が出ている。側頭部にチリチリした痛みが出ている。上半身が重だるい。

 

<35回目>当院初診時から7か月経過

「ここに初めて来た頃はほぼ一日寝ていたが、今はゴロン程度」 寝ているとイライラ不安が出るが、心穏やかに過ごせる日も多くある。だるさはあるが体は結構動けるようになり、子供と川遊びでテントとバーベキューをした。

 

<45回目>当院初診時から9か月経過

頭、首、肩、腰の痛みが減り倦怠感も減ってきたが、治療して日にちが経つとまた痛みが戻ってくる。家事の量は増えた。

 

<66回>当院初診時から1年2か月経過

毎日40分から1時間歩いている。家族からもよく動いていると言われた。子供の工作やお好み焼きを一緒に作った。

 

<67回目>前回治療から1か月と10日後 当院初診時から1年3か月経過、発症から3年8か月が経過した

「1年前ここへ来た頃は、ここまで良くなるとは思っていなかった。感謝です」とお話をされた。治療間隔が1か月に1回となった。

 

(考察)

症状は一進一退を繰り返し、治療する側も治療を受ける側も、とにかく辛抱しながらの経過だったように思う。記憶位置の認識と自律神経症状などに、整形外科領域の関節、筋肉の痛み等の訴えが混在して、東洋医学的な本を治すという本治法と、対症療法いわゆる東洋医学で言う標治法を組み合わせて鍼灸治療と遠絡療法とをおこなってきた。1年以上の継続的な時間を要したが、ともかくも症状が改善されたことに安堵している。これは少しでも良くなりたいという患者の意思が治療者に伝わり、治療者からも少しでも症状を良くしたいと言う意思が患者に伝わった結果の成果とも言える。

 

 

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