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糖尿病の為ステロイド治療は行われなかった 顔面神経麻痺 症例 49歳 男性

1週間前の夜10時過ぎの夜食時に、咀嚼がしづらく口に食べ物が溜まる状態になった。翌日病院を受診しMRI検査での異常は見られなかったが、血糖値が高い為医師から「ステロイドの使用は止めとこう」と言われ、ビタミン剤と抗ウィルス剤のみ処方された。ネットで当院を検索して来院された。

 

<初診時>

顔面神経麻痺評価点数は6点。点数的には重度だが、今が悪化のピーク時に近い為重度の評価は2週間以上経過後とする。下を向き顎を引く動作がしづらく、頭を動かすとめまい(眩暈)がする。耳のつまり感もある。鼻翼の左右差はあまり無いが、口のゆがみと眉毛の高さの左右差は顕著である。鍼灸治療は初めてである。治療後は「目が開いた感じがする」との感想であった。週2回の治療とした。

 

<2回目>前回治療から4日後

「めまい(眩暈)がしていたのが楽になった。耳のつまりが軽くなった。顎を引いて下が向けるようになった」とのお話であった。

 

<3回目>

耳かきをすると触覚の異常がある。患側の視界が少し良くなった気がする。

 

<6回目>

耳かきをした時の触覚異常は無くなった。舌の右前3分の1がチリチリとした感じがある。口を膨らませる動作が少しできるようになり、水を飲むことがやりやすくなった。

 

<8回目>顔面神経麻痺発症から1か月経過

顔面神経麻痺評価点数12点。後遺症が残る点数である。体重を5キロ落とした。病院での血糖値130mg/㎗。口中に残った食べ物を歯ブラシで取っていたが舌で取れるようになった。

 

<10回目>

コップから直接水が飲めるようになった。汁物は今までスプーンで飲んでいたがお椀から直接飲めるようになった

 

<15回目>顔面神経麻痺発症から2か月経過

顔面神経麻痺評価点数14点。口はまだ斜めに歪んでいが顔全体のバランスは改善されている。

 

<25回>顔面神経麻痺発症から4か月経過

顔面神経麻痺評価点数18点 顔の見た目が良くなってきて、口もほぼ平行になりイーっと横に広げることができる。ただし瞬き時に口元が少し動く共同運動が出ている。

 

<34回目>顔面神経麻痺発症から6か月経過

顔面神経麻痺評価点数26点 見た目的にはほぼ正常になっている。口を膨らます動作で空気は漏れず、口に水を含んで膨らましても漏れなくなった。週1回の治療間隔となる

 

<43回>顔面神経麻痺発症から9か月経過

顔面神経麻痺評価点数28点。片目つぶりがかなりできるようになり、日常で困るようなことはあまりないとのことである。

以後月に2回程度の治療間隔

 

<52回>顔面神経麻痺発症から1年が経過

顔面神経麻痺評価点数30点 瞬き時の共同運動(++) 口を動かしての目との共同運動(-)

目をつぶる力に少し弱さを感じるが、見た目も動作上も特に不自然さはない。

 

<以後の経過>

お仕事の関係から月に2回から1回の治療となり。発症から1年5か月で略治となった。

 

(考察)

顔面神経麻痺評価点数も30点台に乗り、顔面神経麻痺とわからないまでに回復したが、時間経過と共に出る共同運動は、神経変性によるもので今後も続く難しい課題である。

 

 

 

 

 

 

 

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